ANTIQUE DOLL
(日本)
「MAZE」(96年作)
1.DEVIL GRUDGE 2.Deep Red 3.(Lost in) a maze 4.I Believe
5.PLAY DOLLS 6.The Scene of Lightless(インスト) 7.SLEDGEHAMMER
ヴィジュアル系メタルバンドのミニアルバム。
09年5月18日のDiaryで記した、約55枚程購入した内の1枚である。
ネットで調べてみたのだが、アルバムとしての音源は今作が
唯一のモノであり、Gt.が「VOLCANO」で活動していた事が有る
という事ぐらいしか分からなかった。
Vo.こそヴィジュアル系であるが、その音楽性は間違い無くメタルであり、
「X JAPAN」の初期の頃に近いモノであると思う。
呟く様なイントロに続いて疾走を開始する1曲目。歌メロ手前でシャウトも飛び出し、
これは期待出来るかな、と思ったらヴィジュアル系な歌い回しなので、
最初に聴いた際はガクッときた。でも、慣れてしまえば許容範囲さ。
Vo.はともかく、サウンドはメタルなのだから。Aメロはハードロックっぽく、
BメロはGt.がスラッシュメタルっぽく(多分)ザクザクと刻みつつ、
グルーヴィーに走り、途中、男コーラスが煽り立てる。
この曲、サビが無いみたいで、A→B→A→B→間奏という曲展開なのだ。
でも速弾くギターソロは良いぞ。
2曲目も疾走曲。疾走感はこっちの方が上だけど、何かせわしない感じだな。
グルーヴィーなパートも有れば、ツーバス踏んでドコドコ疾走する
パートも有って良い。出来ればもう少し迫力が欲しいけど。煽るコーラスが
前面に出過ぎなサビはマイナス点だな。そして間奏が
またせわしなく、始めの内はこの曲で一番忙しい。個人的には悪くないが。
哀愁のギターソロを弾き回して始まる3曲目はミドルテンポ曲。
夜の雰囲気を感じさせる叙情メロと、狂気を発する様な力強い
バンドサウンドが交互に展開する曲展開にルナティックなモノを感じる。
4曲目はヴィジュアル系調のメロディアスなアップテンポ曲。
5曲目もアップテンポ曲だが、こっちは90年代初期の
ヴィジュアル系っぽさを感じる曲調だ。
6曲目は昭和30〜40年代の和の雰囲気を纏った曲で、
母さんが夜なべして手袋編んでくれた的な、別な例えだと
下町酒場的な哀愁漂う曲だ。次の7曲目への繋ぎの小曲だと思う人も
居ると思うが、個人的にはインスト曲と思いたい。
ラストの7曲目は初っぱなからツーバス踏んで爆走する疾走曲。
1、2曲目をまとめて一つにしたらこうなった、って感じはするけど、
ヘドバンしたくなるグルーヴィーさが有るし、速弾くギターソロは
今作中一番良い。今作におけるキラー曲と言えよう。
Gt.はVOLCANOで活動していただけの事が有り、そこかしこで
良い仕事をしていると感じる。メタル色濃いヴィジュアル系が
聴きたい人、ヴィジュアル系Vo.が許容範囲なメタラーに
今作をオススメするぞ。
評価 80点
1,2,3,6,7がオススメだ。