AN UP TRAIN
(日本)
「Stand on the earth」(04年作)
1.地下鉄ピアノ 2.Naturalization 3.A day in winter 4.Funny dayz 5.I'm walking
6.TheHeroStandsOnTheEarth 7.アサギマダラ
5人組ブラスロックバンドの1st。
BOOK-OFF某店にて、中古で108円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べてみたのだが、彼等に関する情報は少なく、バンドのウェブサイトも
閉鎖されていたため、詳しい経歴はよく分からなかった。
結成時期は不明。名古屋を中心に活動を展開し、ライヴツアー等で
他県にも進出していた様だ。
分かったのはこの程度。時期はこれまた不明だが、バンドのウェブサイトが
閉鎖されている事から、すでに解散しているのだろう。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、詳細に紹介している所が無かった。
Vo./Gt.、Vo./Ba.、Dr.、Alto Sax、Tenor Saxという5人編成の
ブラスロックバンドという事が分かった程度である。
ブラスロックに関して説明すると、
『ロックのアレンジを基調とし、ジャズの要素を加味して
トランペットやトロンボーン等の金管楽器を前面に押し出した
音楽性を特徴とするモノ』
という事である。
1曲目はサントラ曲としても使えそうな、ミドルテンポの探偵物語的インスト曲。
バンドサウンドは緊張感有るギターリフが聴け、リズム隊と絡んで
ちょいとリスキーでシリアスな進行を展開する。
ホーンセクションはドラマティックさを助長し、中盤からはピアノも登場。
ホーンとは違う感触のドラマティックさを感じさせる。
2曲目はちょいとアダルティックかつムーディーな、
夜を思わせる雰囲気の中をツインVo.で歌い上げるポップなミドルテンポ曲。
3曲目はバンドサウンドの内、Ba.が前面に出て重量感有るグルーヴを放ち、
ホーンセクションと絡んで、明るく、コミカルな進行を展開するミドルテンポ曲。
4曲目もミドルテンポ曲。バンドサウンドの内、Dr.が幾分前面に出ており、
ホーンセクションと絡んで陽気かつ楽しく、軽快、
そしてダンサブルな進行を展開する。
SEとオルゴールのメロディーで始まる5曲目はミドルテンポ曲。
バンドサウンドが前面に出ており、今作中、最も力強さを感じさせる。
メロディーはポジティヴに明るく、そしてキャッチーだ。
6曲目もミドルテンポ曲。2曲目の様に夜を思わせる所が有るも、こちらの方は
ロック寄りの曲調で、アクティヴにグルーヴィーな所が良いな。
ラストの7曲目もミドルテンポ曲。淡々と奏でられるアコギと
アトモスフェリックな空気を放つ電子音(?)を軸に進行し、
部分的に顔を出すバンドサウンドや笛楽器が絡む事で、叙情性や哀愁、
異国情緒、大陸的な広がり等、色々な面を見せるぞ。
まず楽曲の方向性に関して、聴き始めた当初は
メロディーを歌い上げる事よりも、楽器陣のアンサンブルで
聴かせる事の方に比重が傾けられている
といった印象を受けていた。
しかし、聴き込むうちにそれは幾分修正の必要有りと感じた。
メロディーは悪くない。問題はサウンドプロダクションの方に有る。
Vo.の処置が控え目になっているため、楽器の一部っぽく感じられるのだ。
それが上記の印象を受ける事を助長したのだろう。
次にアルバム全体の評価としては、
収録されている楽曲は7曲なれど、色々なタイプの曲が有り、多様性という点では
問題無し。ただ、どれも凡曲の域を出ないのが残念だ。
評価 73点
オススメは無し。