Bivattchee
(日本)
「青いカラス」(02年作)
1.はんぶんこ 2.ロケット花火 3.桜の花が散る前に 4.Ride On Drive 5.シロイツキ
6.246〜君に会いに行く〜 7.ドライブしましょう 8.なんだろう 9.I'm walkin' 10.南回りの風
広島県出身の4人組パンクロックバンドの1st。
09年11月7日のDiaryで記した、49枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、97年に広島修道大学のフォークソング部で
メンバーは知り合い、バンドを結成するのだが、
結成当初、音楽経験者はギタリストのみであったという。
「SNAIL RAMP」のTAKEMURA(Vo./Ba.)の目に止まった事により、
彼の立ち上げたSCHOOL BUS RECORDSに所属する。
03年にメジャーデビューを果たすも、後にメジャーを離れる。
以降は自主レーベルを立ち上げ、インディーズで活動を続けていたが
09年に解散している。
楽曲の音楽性はロックンロールの要素を含んだパンクといった所か。
青春パンクの範疇で語られているバンドだが、青春っ気はそれ程濃くない。
バンドサウンドもタイトな感じであまり荒々しくないし。
「パンクの音でパンクをしている」のではなく、
「ロックの音でパンクをしている」といった感じのサウンドである。
1曲目は彼等の代表曲の内の一つらしいが、個人的にはあまり好かないな。
2曲目は「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」っぽい
硬派寄りの疾走を展開するが、途中で加わる明るいシンガロングが
雰囲気ぶち壊しで、以降は雰囲気がライトなモノになってしまう。
サビはロックンロールな疾走を聴かせるぞ。
3曲目は叙情性を含んだノスタルジックな疾走曲で、
Gt.が部分的にエモい弾き回しを聴かせる。
4曲目はロックンロール寄りの疾走曲で、リズム隊が
ダンサブルなリズムを展開する。Gt.は時にダンサブルな所に合わせ、
時にパンキッシュに、時にロック寄りな力強さを感じさせる弾き回しを
終始聴かせ、実にクールである。シンガロングもチャラっ気が無くて良い。
5曲目は胸を焦がす様な哀愁を帯びた疾走曲。
間奏のギターソロは後半泣きを放ち、エモーショナルで良いな。
6曲目はロックとパンクとメロコアが良質な融合を果たした走曲。
疾走感はライトでアッパーなノリ良いモノであり、
シンガロングも皆で盛り上がろうぜ的な楽しさを演出する。
今作一番のオススメ曲だぞ。
スタジオライヴ録り(多分)な7曲目はわざとらしい盛り上がりを
聴かせる。こんなの要らんわさ。
ロックなりのヘヴィなグルーヴで幕を開ける8曲目は歌メロに到ると
南国風の雰囲気のミドルテンポで進行。途中で激情的なパートに展開し、
サビはそのまま疾走する。ロック者としては始めのヘヴィな部分を
生かした曲に仕上げて欲しかったなあ。
9曲目の走曲は南国風の軽いメロコアサウンドで進行。サビ手前で
力強いパートに展開してサビに到るのだが、終始軽いメロコアでも
良かったなあ。好かないモノではなかったし。
ラストの10曲目は青春の汗が輝く爽やかな光景を思わせる
部活的な熱さを感じさせる変化球的走曲。
Gt.はエネルギッシュさを感じさせ、ちょいとグルーヴィーなBa.が
グラウンドをRUNする様な動的さを出している。
ロック寄りの良い感じのパートをそのままカッコ良いロック曲に
仕上げようとせず、パンクの方向に持って行った結果、今一つな曲になって
しまっているのが多い様に感じられるな。ホント、勿体無い。
これはパンクバンドゆえなのだろうか?
楽曲面でも質的にまだまだ伸びしろが有るはずだし、次作に期待したい所だな。
・・・買うかどうかは分からんけど。
評価 73点
4、5,6,10がオススメだ。