COKEBERRY
(日本)
「こころのうた」(98年作)
1.こころのうた 2.悲しいライオン 3.崖っぷち 4.からっぽのダンボール 5.ひとりごと
6.すすめ!!パイレーツ 7.ルラルラ 8.さかさまの世界 9.トウガラシのスートラ
10.偶然のブルース 11.待ちぼうけ 12.ひからびた魚を埋めた
6人組ロックバンドの2nd。
BOOK-OFF某店にて、中古で250円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べてみた所、96〜98年頃に活動していた様で、
今作をリリースして数ヵ月後に解散したらしい。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「BEATLESの影響を感じさせる美しいメロディー」と案内されていた。
確かにそれっぽい所は有るが、それだけという訳でもない。
個人的にはポップでシンプルなロックと解釈している。
楽曲は玄人向けなモノであり、大衆向けではないな。
1曲目はしんみりというか寂しげというか・・・な、良く言えばレイドバック。
悪く言えば暗い感じの曲調で、サビでもそれなりに盛り上がる程度。
曲がつまらない訳ではないが、最初っからこういう曲は無いと思う。
間奏の脱力感を誘うKey.を聴いていると、70年代辺りのロックが思い浮かぶな。
2曲目はのんびりと落ち着いた感じの穏やかな曲。
麗らかな明るさと笑顔が似合いそうなポジティヴなメロディーの3曲目は
ステップでも踏んでそうな足取りの軽さを感じる。
4曲目はドラマティックかつアダルティックな雰囲気を演出する
ピアノを主旋律に進行する。フレットレスベースやコンガと絡む事によって
「Vo.無しでも良いんじゃないか」と思える質の高い曲だ。
5曲目は穏やかだけど曇りがちな日常的メロディーの曲。
アコギ(?)が南国風っぽくも何処かコントの様な音色を奏でる6曲目は
バックで鳴ってる「ビョ〜ン、ビョン」といったSE(?)が
ど根性ガエルを想起させるなあ。
ほのぼのというかまったりというか、な穏やかな7曲目。
サビがBEATLESっぽいなと感じた8曲目。
9曲目は眠る前の子供におとぎ話でも語っている様な、
子供の視点で言えば語られる物語を心で思い描き、胸を躍らせる様な、
ほわほわとしたメルヘンな雰囲気の曲だ。
薄っぺらい金属音の様なシャカシャラしたバンジョー(多分)の
音色が印象的な10曲目は、リズムこそ民族音楽風だが、
曲としてはアメリカンなモノで、面白い融合を果たしている。
11曲目はアコギとトライアングルが夜の雰囲気を醸し出すが、
徐々に目立って来るピアノがアダルティックさを加味する。
4曲目同様、この曲もVo.無しでも良いかもなあ。
静かな雰囲気に浸りたい時には調度良いと思うぞ。
ラストの12曲目は始まりこそピアノのみの何処かお通夜みたいな感じだが、
途中からバンドサウンドが加わって70年代っぽい曲調へと展開する。
全曲ミドル、スローテンポ。個人的には嫌いな音楽性ではないし
ダレる事も無かったんだけど、どうにも大人し過ぎるんだよねえ・・・。
もう少しメリハリが欲しいわ。そういう部分を改善した作品を
聴いてみたいとは思うが、既に解散してるから今更か・・・。
評価 75点
3,4,5,6,10,11がオススメだ。