CRIMSON
(日本)
「Happy road〜幸せになる道へ〜」(04年作)
1.Happy road〜幸せになる道へ〜 2.桜 3.島 4.SummerTime 5.ワスレモノ
6.おばぁの歌 7.U & ME 8.DREAM 9.命の絆 10.虹
沖縄出身の5人組ミクスチャーロックバンドの1st。
09年5月18日のDiaryで記した、約55枚購入した内の1枚である。
男4人、女1人で構成されているバンドで、今作リリース当時、メンバーはまだ
現役の高校生だったそうだ。楽曲の音楽性は同じ沖縄出身の
「ORANGE RANGE」辺りのミクスチャー系ロックに通じるモノで、
沖縄音楽を取り入れた楽曲も有る。演奏レベルは馬徳の素人聴きでも
しっかりしていると思えるだけのモノが有り、決して低くはないだろう。
1曲目はミドルテンポ曲。何か気の抜けた様なバンドサウンドの幕開けに
不安なモノを感じる。曲自体ものんびり感が有って盛り上がりに欠けるな。
2曲目は疾走を開始するものの、歌メロに入るとテンポダウンして
ラップ歌唱になる。1曲目同様、のんびり感が有り、力強さや
アグレッションは乏しい。不安はさらに強くなる。
3曲目は沖縄の楽器「三線」を用いた沖縄音楽風ミドルテンポ曲。
沖縄の風景が想起されるメロディーの出来は良く、1、2曲目に比べれば
ずっとマシな出来だな。
5曲目はミドルテンポ曲。ポップでライトな南国風メロディーを
ラップ歌唱で歌い上げる。のんびり感はこの曲でも漂う。本来、勢いや
力強さ、そして熱が有っていいはずの曲なんだろうけどなあ。正直、乏しいわ・・・。
6曲目はフォーク調のスロー曲。メロディーは叙情的で、歌い回しには
胸に迫る様なエモーションが有り、良い出来だ。間奏で吹き回される
ハーモニカも雰囲気を助長する良い仕事をしているぞ。
7曲目はGt.が叙情的な音色を奏でて静かに進行するが、途中から
J-POP系ミクスチャーロックに有りがちな明るいメロディーへと展開する。
個人的にはこの手のメロはあまり好きじゃないんだよなあ・・・。
続く8曲目はここに来てやっと力強さを若干感じる曲が来た。ただ、勢いは
物足りないのだが、なミドルテンポ曲。7曲目同様、売れ線の雰囲気が
まだ漂っており、どうにも硬派になりきれないねえ・・・。
曲終盤ではツーバスをドコドコ踏んでる様な感じの音が有るのだが、
音が小さいので集中して聴かなければ分からない。これはイカンな。
ラストの10曲目はミドルテンポ曲。アコギの音色に乗せて歌い上げるパートは
雨上がり後の湿気が漂う様な雰囲気が有って叙情的で、途中から
バンドサウンドが加わると夕暮れ時の叙情メロへと展開する。
曲終盤で奏でられるギターソロは穏やかに弾き回されながらも、
叙情性を強調し、心に響くモノを感じさせるな。
今作当時はまだ高校生だった事も有るから曲の質が物足りない事は
気にしない。むしろ高校生でこれぐらいの出来なら十分だろうな。
J-POP的な面もメンバーがそれでやりたいのなら仕方有るまいて。
ただ、所々で感じる楽曲ののんびり感はハッキリ言って使い所を間違っている。
これでは曲の良さを減退させるだけだって。
曲の質の向上と、あとは勢いや力強さを感じさせる事。
これらの課題を克服出来れば大衆にアピール出来るモノが出せるだろうな。
評価 46点
3,6,10がオススメだ。