CaLIN

(日本)

「僕は僕の夢をみる」(99年作)

1.花のように咲く傘  2.忘れられない  3.あるがまま  4.僕の空

5.Bu Bu Bu  6.Yes Yes Yes  7.everyday  8.僕  9.かごの中の鳥  10.永遠に

2人組ロックユニットの1st。

※ユニット名は「カリン」ではなく「カラン」と読む。

10年6月12日のDiaryで記した、15枚購入した内の1枚である。

ネットで調べた所、俳優兼ミュージシャンの鳥羽 潤と

Gt.の大峯章嗣によって結成されたユニットで、97〜99年の約2年間活動していた。

メンバー二人の当時の年齢ルックスから見て、

楽曲の音楽性はJ-POP売れ線POP/ROCKだろうと

予想していたのだが、ハズレだった。今作で聴けるのは

飾り気のあまり無い割とシンプルなPOP/ROCKである。

アコギで始まる1曲目はバンドサウンドが加わり、荒涼とした

冷ややかというか、寒々しい雰囲気を醸し出す。

寂れた情景を想起させる歌メロは徐々に盛り上がり、到ったサビで

焦がれる様な哀愁を感じさせるエモーショナルな盛り上がりを展開する。

2曲目は今作当時(99年)の時代を感じさせる走曲だ。

Gt.熱の有るソロを放って歌メロへ突入。ポジティヴに走り抜ける。

サビはヴィジュアル系っぽいな。

4曲目はパンキッシュロックンロール走曲。

曲自体は悪くないんだけど、もっと疾走感アグレッションが欲しいなあ。

どうにも平凡とした感じがして、勿体無いわさ。

5曲目はグルーヴィーな走曲。手拍子が加わる事によって

パーティーチューンっぽいポップさが加味されるのだが、

雰囲気としてはそれ程楽しい感じじゃないんだよね。

8曲目はアコギの弾き語りで進行し、途中でバンドサウンドが加わる。

徐々に盛り上がり、何処か穏やかだけどを帯びてエモーショナル

走り抜ける。このサビは聴き所と言えるだけの良さが有るな。

出だしから弾き回される哀愁のギターソロが良い感じな9曲目は

夕焼けが似合いそうなノスタルジックメロディーのミドルテンポ曲。

叙情性が加味されるサビはこれまた聴き所と言える良いメロだな。

ラストの10曲目はまどろむ様に穏やか夜の雰囲気を持った

アコースティック曲。雰囲気に浸れそう聴き心地の良い音色が聴ける。

個人的には今作一番のオススメ曲だ。

捨て曲は無いし、ダレを感じる事も無いのだが、

ほぼ全体的アグレッションやらダイナミズムに欠ける感じがして

プロダクションの悪さが感じられるな。

それとも、楽曲の出来が今一つなだけなのだろうか?

まあ、どちらにせよ、勿体無く思える作品だな。

最後に、ユニット解散後の二人はというと、

鳥羽は俳優としての活動の傍ら、音楽活動にも力を入れ、

04年にソロとしての作品をリリース。

ラウド系バンド「SpraSight」での活動を経て、現在(10年7月)は

デジタルラウド系バンド「Razhead Modic」を結成し、活動している。

大峯はソロ活動を経て、故郷の和歌山県に帰郷。

現在はシンガーソングライターとして活動している。

評価 73点

1,2,10がオススメだ。

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