Droog
(日本)
「Violence」(10年作)
1.奇跡の果て 2.からかわないで 3.お気に入りのレコード 4.両手にノルマ 5.哀れな心臓
大分県別府市出身の4人組ロックバンドの2ndミニ。
BOOK-OFF某店にて、中古で108円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、メンバー全員が大分県別府市出身で、幼稚園の頃からの幼馴染との事。
小学六年生の時に原型となるバンドを結成。07年にバンド名を「Droog」へと改名する。
なお、バンド名の由来は、スタンリー・キューブリック監督の映画
『時計仕掛けのオレンジ』に登場する不良仲間達の呼び名である。
バンドは大分県内のライヴハウスを中心に活動を展開し、めきめきと頭角を現していく。
08年に地元、大分のバンドコンテストで優勝。10年には
『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』等の
大型ロックフェスに次々と出演を果たすまでの躍進を遂げる。
地元において"十年に一組の大物"という高評価を得る様になった彼等は、
11年にメジャーデビューへと至る。
その後、一時は自主レーベルを設立するなど、インディーズでの活動に戻るも、
16年に再メジャーデビューを果たしている。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「混沌とした日常の中、プリミティヴな衝動と共に
世界中に毒を撒(ま)き散らすかの様なロックンロールを聴かせる」
「オリジナルパンクの本質をほとんど本能的に掴み取った
凶暴にしてしなやかなバンドサウンド、危うくもグラマラスなルックス、
そして破壊的なシャウトと美しいメロディーが1つになったVo.」
と紹介されていた。
個人的には、ガレージロック、パンク、グラムロック、ロックンロール等の
要素が混在するロックと解釈している。
勢いを感じさせるGt.で始まる1曲目は、ハードかつワイルドでドライヴ感有る
バンドサウンドが聴けるガレージ/ロックンロール走曲。バッキングこそ
実に格好良くて好印象なのだが、Vo.で確実に賛否が分かれるだろうなぁ。
意図的に音程を外したと思われる荒々しいというか喚(わめ)く様な
この歌い回し。個人的には"否"の方だ。
2曲目はスリリングにハードかつドライヴィンなロックンロール走曲。
歌い回しは1曲目と同様なのだが、曲調に割と合っている様にも感じられるな。
3曲目も走曲。歌メロはちょいと寡黙(かもく)なシリアスさを感じさせるも、途中から
幾分ポップ寄りの明るさを見せ、至ったサビはコーラスも加えて盛り上がる。
間奏ではグルーヴ感有るバンドサウンドが聴けるぞ。
4曲目はコミカルかつライトなノリのバンドサウンドが聴ける
ポップなミドルテンポ走曲。Vo.は歌い回しの荒々しさをもう少し抑えた方が
曲調にマッチすると思うんだけどなぁ・・・。
ラストの5曲目は夕陽に向かって走る様な青春的情熱感を帯びた
エモーショナルかつパンキッシュなロックンロール走曲。
コーラスが加わるサビは涙を思わせるエモさが有るな。
音楽性自体は個人的にストライクなモノなんだよ。
バッキング、またはバンドサウンドは全曲通して好印象で、特に不満も無い。
ただ、如何(いかん)せんVo.がねぇ・・・。
声質はともかく、歌い回しがイマイチ好きになれないのだ。
バンド、または作品に対する評価は、
Vo.の歌い回しを受け入れられるか否(いな)かで決まる
と言っていいだろう。
個人的な評価としては下記の通りだが、人によっては
確実に80点超えの評価が出るはずだ。
評価 77点
全曲オススメだ(ただしVo.は除く)。