衛藤利恵
(日本)
「Be there.」(95年作)
1.Time's River 2.sometime something 3.天使の微笑 4.Sunday Noon 〜I feel like〜
5.心を風にあずけて 6.時代を聴いている 7.faraway 8.月の香り
9.for me 10.My Dear Hometown
東京都出身のシンガーソングライターの1st。
08年11月29日のDiaryで記した、37枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、5ヶ国語(日本、中国、ドイツ、イギリス、フランス)に
堪能なマルチリンガルのシンガーソングライターで、
94年にデビュー。02年に歌手活動を離れ、
作詞、翻訳、他アーティストへの歌詞提供やディレクション、
コーラスアレンジ、歌唱指導等を行なっている。
ラジオのDJとしての経験も豊富で、ナレーターとしても活躍している。
本人曰く、「表舞台より裏方が好き」との事だ。
楽曲の音楽性はJ-POP的歌謡ポップスで、収録されている楽曲は
ミドル、スローテンポのみである。
安らぐ様な穏やかさと郷愁を感じさせるイントロのストリングスと
ピアノがまず良い1曲目。歌メロは静寂を演出するピアノのメロディーに
乗せて静かに歌い上げる始まりから、Bメロでリズム隊が加わり、
ゆるやかな盛り上がりを経てしなやかに美しく舞い上がる
純白かつ秀麗なサビへと到る。ピアノとストリングスが
実に良い仕事をしている曲だぞ。
2曲目はビル郡の様なスケール感の有る都会感と、
青空の様に澄んだ感じのアトモスフェリックさが感じられる曲だ。
穏やかかつポジティヴな歌メロには力強さも有るな。
3曲目は雨上がり後の様な湿気と憂いを感じさせる雰囲気を持った
歌謡曲寄りのしめやかな曲で、情感込めて歌い上げるVo.が良いな。
盛り上がるサビは切ない様で、焦がれる感情を吐き出す様で
胸に迫るモノが有る聴き所だ。流麗に奏でられる目立たないKey.も
ドラマティックさを助長・・・しているんだと思う。・・・多分。
4曲目は星空の様な叙情性を纏った物憂げなメロディーの曲。
キャッチーなポップソングの6曲目は明るく、ポジティヴさに溢れた曲。
爽やかな歌メロは聴き心地が良いな。
8曲目は何処か幻想または神秘的な雰囲気を持った曲で、
Key.とSyn.(多分)によるリフが雰囲気を助長する。到ったサビは
憂鬱な歌謡メロディーへと展開するのだが、あまりサビっぽくない。
聴き出して最初の内はサビ無しの曲かと思ってたし。
でもまあ、曲自体は良いモノだぞ。
9曲目は叙情的かつメロウなスロー曲。冷たくも澄んだ空気が
感じられる夜明け前の様な始まりから歌メロへと展開し、浮遊感の有る
メロディーは温かく迎えてくれる様な優しさと郷愁を帯びている。
ラストの10曲目はアコギとPer.によるアコースティック曲。
聴いていて「キャロル・キング」が思い浮かんだのは
曲の感じが似ているからだろうな。
楽曲は良質かつ多様性有りでダレる事無く通して聴けるのだが、
音量がやけに小さいのが引っ掛かるな。もっとダイレクトに
伝わる様にしなきゃイカンわ。
そういう訳で、今作を聴く際は音量をUPして聴く事をオススメする。
個人的には高評価で強くオススメ出来る作品だ。
ポップス者だけでなく、一般リスナーにも一聴の価値有りと
言える作品だと思うぞ。BOOK-OFFなら安く手に入れられるだろう。
馬徳自身も中古で250円で購入したのでな。
評価 84点
全曲オススメだ。