FAIRY TALE
(日本)
「LOVER」(04年作)
1.ごめんね・・・ 2.ハツコイ 3.-想- 4.「隣」 5.Party
茨城県出身の5人組ロックバンドのミニアルバム。
BOOK-OFF某店にて、新古品で105円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べてみた所、結成は02年。精力的にライヴとツアーを繰り返し、
ライヴの本数は現在に至るまでに600を超えるとの事だ。
地元では確固たる地位を築いているらしい。
※今作当時は5人組であったが、現在(10年2月)では4人で活動している。
楽曲の音楽性に関しては、
80〜90年代のJ-ROCKに影響を受けたキャッチーな
メロディーの疾走感溢れる8ビートロックとブルース、
カントリー等のルーツミュージックより影響を受けた
ダンスミュージックを基本としているとHPには有ったが、
個人的にはヤングな青春の雰囲気を感じさせる
ポップでキャッチーかつパンキッシュなロックと解釈している。
1曲目はヤング向けの情熱系青春パンク調の疾走曲。
今作中最もキャッチーで親しみ易く勢いが有り、掴みはOKだ。
オィ!オィ!声を上げるコーラスで幕を開ける2曲目は
学生の日常を想起する青春の熱気と哀愁を感じる走曲だ。
3曲目はノスタルジックな哀愁を帯びた夕暮れの青春叙情ミドルテンポ曲。
曲本編に入った際の泣きを放つ哀愁のGt.がまず良い。
サビのVo.の歌い回しは切なさ、悲しさといった感情を、涙を、
こらえきれずに吐き出す様にエモーショナルであり、
胸に迫るモノが有るな。
4曲目は静けさを演出する繊細なピアノをバックに歌い上げる始まりから
バンドサウンドへと展開する穏やかなミドルテンポ曲。Gt.のアルペジオが
黄昏時を思わせる叙情的な音色を奏でるが時間を逆行する様に進行し、
サビは世界を紅に染め上げる夕陽の情景を想起する
雄大な広がりを感じる。
ラストの5曲目はパーティーチューンっぽく、ある程度アッパーに幕を開けるが、
A、Bメロは夕陽に向かってダッシュだ!みたいな雰囲気で進行し、
サビで再びパーティーチューンっぽい盛り上がりへと展開する。
捨て曲は無いし親しみ易い曲ばかりなのだが、個人的にはサウンドに
もっと力強さが欲しいというのが正直な所。現在(10年2月)ではどうなのか
知らないが、今作の時点ではヤング向け大衆ロックの域を出ない作品だ。
評価 73点
1,3,4がオススメだ。