GARDEN
(日本)
「grow」(98年作)
1.眠れぬ夜に 2.半分の地図 3.FILM 4.Holiday 5.空は晴れてる
男性2人組ユニットの1stミニ。
某複合量販店にて、新古品で380円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、似た様な名前のグループが幾つか存在するため、ややこしさを覚える。
彼等は、嶋田衛(Vo./Gt./Key)と嶋田繁(Gt./Cho)の双子の兄弟からなる
デュオユニットである。二人の活動歴は長く、元々は82年に「NICO」としてデビュー。
その後、92年にこのユニット名で再デビューを果たしている。
GARDENとしての音楽活動の他に、CM楽曲の提供、他アーティストへの楽曲提供も
しており、有名な所では、織田裕二主演のTVドラマ「踊る大捜査線」の
主題歌"Love Somebody"が有る。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「ブリティッシュな香り高いギターポップ」
「60年代後半〜70年代前半のロックテイストが面白い形で
90年代末にひょっこり顔を出したという感じ」
と紹介されていた。
個人的には、「THE BEATLES」辺りからの影響を感じさせる
UK寄りのギターポップと解釈している。
1曲目はアコギ、Gt.、Ba.の絡みがまどろむ様に穏やかな雰囲気を
醸し出しつつスローテンポで進行。Vo.は雰囲気に合わせた歌唱を
聴かせる。Dr.が加わるとサウンドの感触に気だるげめいたモノが
加味されるぞ。至ったサビは叙情的にメロディアスで、
ちょいとサイケデリックな感じも有るか?
トライバルなリズムのPer.がフェードインする始まりの2曲目はスロー曲。
清涼感の有るアコギ、ブルージーなGt.、Ba.の低音が
あまり間を置かず加わり、その絡みは荒野や秘境などを行く旅人の姿を
思わせるドラマティックさと様々な異国情緒を演出する。
歌メロに入るとDr.も加わり、至ったサビは叙情的にメロディアスだ。
間奏では尺八の様な笛も登場し、異国情緒の演出に一役買っている。
のっけからVo.登場の3曲目もスロー曲。
ダウナーなGt.、坦々としたアコギ、Ba.の低音の絡みが
どんよりとした気だるげな空気を放ち進行。サビ手前から憂いを加味し、
目立たなくもDr.が加わる。至ったサビでは憂いの色を増しつつも
叙情的に聴かせる。間奏ではどういう訳か曲調が変わり、
闇夜に紛れて暗躍する様な怪しい曲調になる。
4曲目はインスト(?)のミドル〜スロー曲。
2本のアコギが暖かな雰囲気を醸し出すと同時に、
日常における、急いだりのんびりしている時間を演出。
部分的にコーラスが顔を出し、途中からアコギは若干テンポアップする。
ラストの5曲目は快活にポップなミドルテンポ曲。今作中、
最もストレートにキャッチーで、最もバンドサウンドが目立っている。
現在の主流に媚びる事無く、自分達の好きな事、
やりたい事をやっている。
通して聴いて、そういう印象を受けた。ただ、やりたい様にやっている分、
一般リスナーより玄人向けの方向にシフトしてしまってもいるのだが。
作品自体の出来としては、強烈なインパクトには欠けるものの、
安定のクオリティを示している。それはキャリアを重ねた
ベテランならではの妙味と言えるだろう。
もっとも、個人的な好みからは幾分ズレているので、点数としてはこんな所で。
評価 73点
5がオススメだ。