HIKOHKI
(日本)
「STUDENT」(90年作)
1.大嫌い 2.君のために 3.麦藁帽子飛んだ 4.そこに君がいたから
5.瞳の宇宙 6.ビルを登ろう 7.好奇心 8.吠えてやる 9.ハローモシモシ
10.元気を出して 11.Student 〜卒業
5人組J-POP系バンドの1st。
某複合量販店にて、中古で500円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、86年に「SCOOP」というバンドでデビューした
経歴を持つVo.とKey.を中心に結成されたバンドで、90年にデビュー。
中、高校生の気持ちを代弁した様な曲が多く、高校生ライブと称して
全国各地で署名の集まった所へ行き、制服を着てくれば無料といった
ライヴが大好評でフライデーに取り上げられた事も有ったという。
ライヴでは全員で紙飛行機を飛ばしたりする演出が有ったそうだ。
バンドは92年に解散している。
楽曲の音楽性は、J-POPなROCK/POPSである。
当時のサウンドが好きな人なら受け入れられるだろうが、Vo.に関しては
好みが分かれるだろうと思う。爽やか優等生といった感じの声質は
例えて言うならNHKの番組のうたのおにいさんみたいなモノだろうか。
曲によっては80年代前半辺りのアイドルソングの様に聴こえる。
昔のトレンディドラマっぽいノリの女子学生による会話で始まる
ライトなポップチューンの1曲目からいきなりのアイドル風歌唱が聴ける。
2曲目は若々しい勢いの有るドラマティックな青春系走曲。
間奏等で聴き手を力強く歌メロへ導くGt.が良いな。
3曲目は憂いの雰囲気を纏った日常的メロディーのスロー曲。
Vo.の歌い回しが歌詞の世界観をドラマティックに想い描かせる感じだ。
4曲目は静寂を演出する叙情的なピアノのメロディーに乗せて歌い上げる
バラード。後半でバンドサウンドが加わる。
5曲目はバンドサウンドにKey.、Syn.が大空の様な広がりと叙情性を
演出し、派手ではないが若々しい勢いと熱に溢れた盛り上がりを展開する
青春系ドラマティックチューンだ。
6〜8曲目は再びのアイドル系ライトポップチューン。
6曲目は軽快なノリの曲で、7曲目はちょいとダンサブルさが有るな。
8曲目はバッキングは幾分ロック寄りながら歌い回しがモロにアイドル系だ。
9曲目は電話っぽい感じに加工されたVo.によるアカペラ(?)曲。
10曲目は歌謡曲寄りの曲で、過疎化の進む農村の如き寂れた哀愁を
感じさせるフレーズを奏でるKey.が良い味出してるな。
ラストの11曲目は希望を胸に膨らませる様な若々しさと
新しい世界への第一歩を踏み出す様な力強さを感じさせる、
若人の門出を祝福する様な雰囲気のミドルテンポ曲。
このバンドの評価は楽曲以前にVo.の声質を受け入れられるかどうかで
大体は決まってしまうのではないかと思う。
大抵の男性リスナーは一部の楽曲を除いて拒否反応を示すだろうが、
80年代前半辺りのジャニーズ系アイドルソングが好きな
40代の女性リスナーにはドンピシャ間違い無しだと思う。
他にオススメ出来るとしたらアイドルソングやポップスのマニアだろうか。
評価 63点
2,4,5,11がオススメだ。