神楽

(日本)

「若草ラプソディー」(05年作)

1.若草ラプソディー  2.一片のキヲク  3.スピードスター  4.雪月花  5.旅立ちのベル

茨城県出身の2人組ユニットの2ndミニ。

TSUTAYA某店にて、新品CD9割引きセールの対象商品として

販売されていたので購入してみた。

ネットで調べた所、祭囃子の和楽器奏者でもある関隆浩(Vo./Gt./横笛)と

飯嶋康平(Vo./ピアノ/横笛)の二人によるユニットで、00年に結成。

POPSに和楽器を乗せた新しい音楽を目指すという目標を持っていて、

楽曲に和太鼓横笛を取り入れている。ライヴでは踊りも舞うのだそうだ。

06年にユニット名を「神楽」から「かぐら」に改名。

12年に活動休止。その後、自然解散したとの事だ。

ネットでは楽曲の音楽性に関して、

『和太鼓奏者でもある二人のキャラを生かした和楽器ポップスに、

等身大の飾らぬ歌詞を乗っけた親密さが売り』

『ポップスに和楽器の音色を乗せた、どこか懐かしい

キャッチーなメロディーラインと、レミオロメンの様に

日本語を大切にした繊細な歌詞が特徴』

と紹介されていた。

個人的には、J-POPに多少の和風要素を加えたモノと解釈している。

ちなみに、今作は『春』をテーマに制作されており、サウンドプロデュースを「LINDBERG」

平川達也(Gt.)が担当している。

1曲目はミドルテンポ走曲。イントロに続く本編の幕開けに、まずは横笛の音色が郷愁を誘う。

アコギとリズム隊、穏やかな雰囲気を演出するピアノをバックに

日常的メロディーを歌い上げるVo.素朴な印象を受けるが、

何処か味が有る様にも思える。途中から加わるKey.の音色は

緩やかな風の様でいて、揺れ動く心情を表現するかの如く切ない

至ったサビは、大きくはないが華やかな盛り上がりを見せる。

間奏のギターソロはあまり目立たず、添え物程度といった感じだ。

また、少しだけだが祭囃子風の横笛が顔を出すぞ。

2曲目はミドルテンポ曲。Aメロは物憂げな曲調。打ち込みなのか加工したモノなのか

よく分からないけど、Key.が醸し出す(もや)がかかった様な雰囲気の中、

Vo.が歌う。バンドサウンドが加わるBメロは青春的な情熱感を帯びた曲調に転調。

地に足が着いた感じの着実な歩みを思わせる。

至ったサビは割と在り来たりな感じの哀愁メロで、間奏のギターソロは

特に雰囲気を壊したりする様な事の無いモノといった所か。

3曲目はライトな日常的メロディーの走曲。

Key.ドラマティックさを演出する役割を果たしており、間奏で聴ける

叙情性を帯びた切ない音色聴き所の一つだ。

至ったサビは、大きくはないがポジティヴかつ朗らかな盛り上がりを見せる。

二番の冒頭で横笛和太鼓が登場するが、正直、これは入れる必要無いわ。

曲の終盤では厚みの有る合唱っぽいコーラスハンドクラップが加わるぞ。

4曲目はバラード寄りのミドルテンポ曲。叙情的かつドラマティック

メロディーを奏でるKey.淡々とした和太鼓をバックにVo.が歌う。

途中からもう一台、アトモスフェリックなKey.が加わり、絡む事で、

月夜を思わせる幻想的な雰囲気を作り出す。更にその後、リズム隊も

加わるのだが、Ba.はともかく、Dr.無くても良かったなぁ。

でもって、サビが有るのか無いのかよく分からないのだが、間奏で聴ける

横笛郷愁を誘う哀愁の音色良いな。

ラストの5曲目は若干バラード寄りのスロー曲。Key.が奏でる叙情性含んだ

穏やかなメロディーに乗せてVo.が歌い、途中からアコギ、Gt.(多分)、リズム隊が

加わっていく。至ったサビは温かみの有る優しい盛り上がりを展開する。

また、ツインVo.のハーモニーにはヤングな女子受けしそうな

キャッチーさが有るな。

今作における評価に当たって、まず言いたい事が有る。

"POPSに和楽器を乗せた新しい音楽を目指す"。

上記した彼等の目標に関してだが、

笑わせんじゃねえよ!!!

というのが正直な所だ。

上記の様に、楽曲はJ-POPに多少の和風要素を加えたモノなのだが、

4曲目以外は和風要素はハッキリ言って薄味。ただのJ-POP曲がほとんどだ。

この程度で新機軸を打ち出そうなどと、身の程知らずとしか言い様が無い。

やるならもっと本格的に、和風要素の度合いを濃くして

聴き応えの有るモノを作って欲しい。

まあ、『春』というテーマにはちゃんと沿っていると思うので、そこは評価しておこう。

単にJ-POPの作品として聴けばそれなりに出来は良いと思う。

Vo.の声質も女受けしそうな優しい声なので、

J-POP好きの女性リスナーにオススメ出来るだろう。

評価 75点

4がオススメだ。

Review TOPへ戻る

TOPページへ戻る