加古 隆
(日本)
「NHKスペシャル”映像の世紀”オリジナル・サウンドトラック」
(95年作)
1.パリは燃えているか-メインテーマ- 2.ザ・サードワールド 3.睡蓮のアトリエ
4.シネマトグラフT 5.大いなるもの、東方より 6.機械工場 7.トルストイの手紙(台詞入り)
8.新大陸に誘われて 9.パリは燃えているか-宇宙篇- 10.時の刻印
11.シネマトグラフU 12.はるかなる王宮 13.パリは燃えているか-追憶篇-
大阪府出身のピアニスト・作曲家が担当した番組のサウンドトラック。
今作は95年3月〜96年2月にかけて毎月放映されたNHKのドキュメンタリー番組
「映像の世紀」で使用された楽曲のサントラである。放映から10年以上経った
現在でもNHKスペシャル史上最高の番組の一つと言われているこの番組は、
動く映像を通して激動の20世紀を知る事が出来る貴重な資料であり、
教育用の資料としても活用されている。実際、馬徳がこの番組を初めて見たのは
高校の授業の時だった。下手な授業受けるより遥かに説得力を持った番組で、
歴史好きなら是非とも見る事をオススメ出来る内容だ。そしてこの番組で
使用された音楽に関して、放送終了後に問い合わせが殺到したという。
この番組を見た事が有る人なら、大抵はメインテーマである1曲目の
「パリは燃えているか」によって引き込まれる事だろう。実際、馬徳もそうだった。
混迷、激動の時代の儚さ、悲しさ、慟哭、激情、壮絶さ、
様々な物が内包され、抗う事も止める事も出来ない時代の流れに
巻き込まれていく数え切れない多くの人々が思い浮かぶ。
まさに悶絶の一曲!!
クラシック派だけでなく、HR/HM派のリスナーにもきっとイケるだろう。
馬徳はこの1曲だけでサントラの購入を決意した。
ちょっとだけ昔話になるが、「映像の世紀」を授業で見ていた高校生の時、
馬徳以外にもこの曲に魅せられた者が何名か居て、この曲が流れる度に
聴き入っていたのだ。今だによく覚えてるよ。
第1、2次世界大戦の辺りでこの曲が流れると説得力が大幅にUPして
曲の雰囲気に飲み込まれてしまう。
戦争の部分でこの曲を使用するのは反則だ。
2曲目以降は1曲目には及ばないものの、捨て曲無しの高品質の楽曲揃いだ。
1曲目のためだけに今作を買っても損は無いと個人的には思う。
評価 78点
1,2,5,6,7,10がオススメだ。
「パリは燃えているか〜NHKスペシャル”映像の世紀”オリジナル・サウンドトラック完全版〜」
(00年作)
1.パリは燃えているか-OPテーマ- 2.時の刻印U 3.大いなるもの東方よりU
4.パリは燃えているか-ピアノ・トリオversion- 5.最後の海戦 6.森は失われた
7.パリは燃えているか-オルガンversion- 8.ワン・ワールド 9.狂気の影
10.パリは燃えているか-オーケストラshort version- 11.シネマトグラフV 12.最後の海戦U
13.パリは燃えているか-ブラスversion- 14.未来世紀 15.ザ・サード・ワールドU
16.パリは燃えているか-ジャズversion- 17.時の刻印V 18.睡蓮のアトリエU
19.パリは燃えているか-ピアノ・ソロversion-
大阪府出身のピアニスト・作曲家が担当した番組の2枚目のサウンドトラック。
「完全版」と銘打ってはあるものの、実際は前作で収録出来無かった
楽曲を収録した2ndアルバムといったものである。
実は馬徳が最初に購入したのは今作の方だった。
上記の通り、悶絶の一曲略して「悶曲」である「パリは燃えているか」の
version違いだけで7トラックも有る。前作のも足せば10トラックになる。
今更ながらだが、version違いだけでこんなに有ったんだな。
まあ、各versionの出来に関してはそれぞれ好みが分かれるだろうが。
他の曲は今作でも高品質で捨て曲無しで楽しめるぞ。
もし「パリは燃えているか」だけを聴きたいというのなら
オムニバスアルバムの「image」を購入して聴くというのもアリだ。
評価 78点
1,2,3,4,5,7,9,10,12,14,15,17,19がオススメだ。