カミナリグモ
(日本)
「プラネタリウム」(05年作)
1.自転車のテーマ 2.プラネタリウム 3.花粉 4.ゆらゆら魔法が溶けただけ
5.ボロ 6.ぺちゃんこ僕は 7.雨のノック 8.僕の部屋まで
2人組ユニットのライヴ会場限定販売の自主制作アルバム。
メディア書店某店にて、中古で300円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、結成は02年。当時、長野県の信州大学在学中の
上野啓示(Vo./Gt.)を中心に結成されるも、翌年には上野啓示の
ソロプロジェクトとなり、弾き語り、バンド、ユニットと、形態を問わない
スタイルとなる。07年に、信州大学在学時の先輩で何度かサポートを務めた事の有る
ghoma(Key./シンセベース)が加入し、08年にインディーズデビュー。
シングルやアルバムのリリースを経て、10年にメジャーデビューを果たし、
現在(12年3月)に至っている。
楽曲の音楽性に関して、ネットでは
「透明さと不透明さを併せ持つ独特な声、情感が行間から湧き上がって来る
リリック、ポップと哀愁が共存する繊細で中毒性の有るメロディーが
魅力のオルタナティヴロック」、
「歌詞の世界は独特で、確信に触れそうで触れない。
情景描写も個性的で、冷静な様で揺れ動く、熱く燃える様な、そんな世界観」
・・・と紹介されていた。
個人的には、ミドル、スローテンポ主体のポップ/メロディアスロックと
大まかかつ単純に解釈している。オルタナ系って感じはあまりしない。
1曲目はメロウかつ叙情的なアコギとSEが夜の雰囲気を演出する中で
暖かく、穏やかに歌い上げられるスロー曲。
2曲目はGt.、アコギ、ウッドベース、Dr.、Key.による
ジャズっぽいアンサンブル(多分)が聴ける、コミカルなノリの
逃亡的ドラマティックな曲だ。ちょこまかとした感じを出すGt.、
淡々としている様でアップダウンが有り、それが焦りや緊張感を
演出しているウッドベース、雰囲気を醸し出すKey.といった所で、
他はこれらを助長する役割だな。
3曲目は淡々としたDr.に始まり、気だるさを演出するリフを奏でるGt.、
Vo.、ウッドベースが登場し、憂鬱さの混じったまどろむ様な雰囲気が
展開される。歌い回しも何処か眠たげだ。
4曲目はバンドサウンドやアコギ、Key.が暗めの憂鬱な雰囲気を
演出する日常的メロディーのスロー曲。サビは幾分明るめだ。
5曲目は落ち着いた雰囲気を演出するアコギのメロディーに乗せて歌われる
スロー曲。途中でKey.(かGt.)が顔を出し、雰囲気に叙情性を加えている。
6曲目はお休み前の夜の雰囲気って感じの曲。
7曲目も似た様な曲だが、こちらではアコギが奏でるメロウな哀愁メロが
キレイな星空を表現している様にも感じられる。
ラストの8曲目はアコギの弾き語りにPer.が絡むのんびりとした穏やかな曲。
2曲目を除いて、大体が似た雰囲気の穏やか/憂鬱/メロウな曲だ。
1曲1曲は悪くないのだが、多様性に欠けるのは否めないし、この手の曲は
アルバムに2曲有れば十分だ。正直、聴いていると眠くなってしまう。
そういうのが好きなリスナーならともかく、馬徳の様に
ハードでアグレッシヴかつメロディアスなモノを主食とする
リスナーにはオススメ出来無いわ。
評価 74点
2,5,7がオススメだ。