KICK IN THE NUTS
(日本)
「DIG UP NOTE」(12年作)
1.FOR SINNER 2.F.B.I 3.MISTAKECORE 4.DOVE 5.FEELING BETTER
4人組メロディックパンクバンドのミニアルバム。
BOOK-OFF某店にて、中古で108円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、すでに解散していた。08年〜13年の間、東京都内を中心に
活動していた様で、「smiling foolish」という主催イベントも何度か行なっている。
彼等の音源は数が少なく、本作以外にはシングルが1枚だけである。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「NO USE FOR A NAME、NOFX、ELLEGARDEN、Hi-Standard等々・・・
邦楽洋楽問わず、その偉大な先人達から受けた多大な影響、
エッセンスを独自の解釈でミックス!」
と紹介されていた。
個人的には、ちょいとエモっぽさの有るロック寄りのメロディックパンクと解釈している。
歌詞は全曲英語詞。Vo.はあまり力強さの無いモノだが、
この手の音楽性では特に珍しくもないので気にしない。
2本のGt.が静けさを演出する中、グラスが割れる様なSEに続いて
力強い爆走を展開するエモメロのサビで始まる1曲目。
歌メロ前の間奏では、Gt.がラフながらドラマティックさの有る弾き回しを聴かせるぞ。
Aメロからはテンポダウンして、ちょいと暗めの雰囲気のミドルテンポで進行。
Bメロの途中からテンポアップしてサビへと至る。サビ後の曲終盤のエモい疾走パートでは、
一方のGt.がこれまたラフな感じの弾き回しながら、不安や緊張感を煽り、
ドラマティックさを加えているな。
ちょいと重量感の有るハードロック風のリフで切り込むも、何処か落ち着きの有る
ミドルテンポの始まりの2曲目は、そこからテンポアップして緊張感を帯びた
ドライヴィンな走パートへと展開。その前半で、一方のGt.がサイレンの様な
弾き回しを聴かせ、緊迫感を煽っている。サビは陽光が照らす様な叙情性を
纏ったライトにエモいモノだ。
3曲目はミドルテンポ曲。Gt.のアルペジオが聴き手を眠りの世界へと誘う、
就寝前の様な穏やかで落ち着いた雰囲気のA、Bメロを静とするなら、
哀愁漂う激情的かつドラマティックな盛り上がりを見せるサビは動といった所か。
何処か暗めで緊張感を帯びた4曲目の疾走曲は、その疾走感に攻めの姿勢が見える。
ラストの5曲目はこれまた何処か暗め。ミドルテンポでの進行から、
スポーツカーの如きパワフルでスピード感の有る
ドライヴィンな疾走へと展開。個人的には、この疾走感に好感触。
しかし、至ったサビでは再びミドルテンポへとテンポダウンする。
メロコアやメロディックパンクの範疇で語られるバンドではあるが、バンドサウンドは
それほど軽くはなく、むしろ骨太さが有り、そこは個人的に好感触。
だが、曲の展開に不満を覚える所が割と多く有り、凄く勿体無いなと思う。
あとはメロディーに物足りなさを感じる所が若干有るぐらいか。
その辺をクリアしていれば80点台の評価を出せていた。惜しい。
評価 74点
1がオススメだ。