Klaha
(日本)
「Nostal Lab」(02年作)
1.心象プリズム(instrumental) 2.scape 〜with transparent wings〜 3.太陽の檻
4.Red Room 〜硝子の花〜 5.penguin 6.感情プリズム(instrumental) 7.奇蹟の声
8.ショコレイト 9.カメレオンの接吻 10.サヨナラ 11.Green 〜伝えたい想い〜
12.解放プリズム(instrumental)
元「MALICE MIZER」のヴォーカリストのソロアルバム。
09年2月21日のDiaryで記した、32枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、90年代中期に「PRIDE OF MIND」という
ヴィジュアル系バンドで活動しており、当時は本名の春名真樹であった。
00年にMALICE MIZERの3代目Vo.として加入するも、バンドは01年に
活動停止となり、それに伴いソロ活動を開始する。
04年頃までは音源のリリースが有ったものの、何の告知も無しに
姿を消してしまった為、現在の状況は全くもって不明である。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「歌声の特性を活かした耽美的な楽曲がメインだが、
クラシックの影響を受けたロック等、スタイルは幅広く取られている。
MALICE(略)時代とはまた違ったKlahaを感じられるだろう」
と紹介されていた。
オルゴール調のインスト曲の1曲目からそのまま続く2曲目は
ドラマティックな調べのピアノとVo.に始まり、ストリングスと
Gt.、打ち込みリズムが登場。曲本編への扉が劇的に開かれる。
物悲しい静かな進行の歌メロは壮麗なストリングスが徐々に盛り上げ、
ちょいと大仰に疾走するサビへと到る。
3曲目はアダルティックな雰囲気を持った歌謡ポップスな曲。
4曲目はGt.や打ち込みのバンドサウンドが幾分前面に出た
オペラティック寄りの勇敢にドラマティックな幻想曲。
ストリングス等が壮麗に大仰に盛り上げるのも良いけど、こういう
バンドサウンドが良い仕事をしている曲も良いじゃないか。個人的には
ちょっとした収穫と言えるな。この曲に出会えた事に感謝。
5曲目はピアノの美しい調べが聴けるメロウな歌謡ポップス曲。
あまり必要性を感じない閉塞感有るインスト(?)の6曲目からそのまま続く
7曲目はアカペラで始まり、クリスマスを思わせるベルのSE(多分)が
登場するも、ストリングスが醸し出す雰囲気は陰鬱で
幸せ気分のベルSEは浮きまくりだ。終盤で劇的な盛り上がりを展開する。
このパートは良いな。最初からこういう感じだったら良かったのに。
8曲目はおやすみ的スローメロディーが全体的に引っ込んだ感じで
しばし進行。途中で出て来て透明感有る歌謡ポップスとなる。
9曲目はホーンセクションが賑やかに盛り上げる
ジャジーでノリの良い、歌謡曲寄りの曲。
静寂を演出するピアノの哀愁メロに乗せて歌い上げる10曲目は
大人の雰囲気を持ったマイルドな歌謡ポップス。
11曲目は始まりでやけにライトなKey.が聴けるポップな幕開けに
不安なモノを感じたらその予感は見事に的中。これまでの流れを
ぶち壊すかの様な明るい曲調に少々ガッカリさせられる。
「あ〜、やっちまったなあ・・・・・・」って感じよ。
ラストの12曲目はちょいと壮大でクラシカルなパートから
オルゴール調へと展開するインストで締めだ。
MALICE(略)のサウンドを期待すると確実に肩透かしを喰らうだろうし、
上記の音楽性に関しての「スタイルは幅広く取られている」
というのは間違いだな。2、4、7曲目の様な
クラシック要素の感じられる曲とインストと歌謡ポップス風の曲。
単純に分けてしまえばこの3種だけさね。
あと、ハッキリ言って11曲目は要らない。
あの曲が収録されている事によって今作の価値が下がってしまった。
何処ぞの売れ線ヴィジュアルバンドにでも提供すれば良かったのに。
評価 79点
2,4,5,9、10がオススメだ。