LOUDNESS

(日本)

「ENGINE」(99年作)

1.SOUL TONE(インスト)  2.BUG KILLER  3.Black Biohazard  4.TWIST OF CHAIN

5.BAD DATE / NOTHIN' I CAN DO  6.APOCALYPSE  7.ACE IN THE HOLE

8.SWEET DREAMS  9.ASYLUM  10.BURNING EYE BALLS  11.JUNK HIS HEAD

12.2008 (CANDRA 月天)  13.COMING HOME

第4期LOUDNESSの最後の作品である14th。

某複合量販店にて、中古480円で購入したアルバムである。

LOUDNESSの暗黒時代と評される第4期に制作された、

通称インド三部作全盛期からのファンにはハッキリ言って不評で、

「二井原やマイクが居た時代からは遥か遠く…

インドへと飛び立った」

・・・などと言われる始末。結果、多くのファンが離れて行った。

今作は「GHETTO MACHINE」(97年)、「DRAGON」(98年)に続く

三部作の最終章にして、第4期の最後の作品である。

悟りを開いた高崎の影響を受けた楽曲の音楽性は、

オリエンタルな神秘的、または宗教的要素を加味した

ドゥームメタル寄りヘヴィグルーヴィー

モダンヘヴィネス路線だ。

ちなみに、高崎は三部作に関して「ブッダ・ロック」と称している。

1曲目は不穏かつ不気味な雰囲気が漂う中に宗教的な厳かさを感じさせる

中近東風邪教的アトモスフェリックなインスト。

若干唐突でつながりの悪さを感じる始まりの2曲目は

ダーティーに攻撃的ギターサウンドに悪意が感じられるミドルテンポ走曲。

気だるさルーズさを放つグルーヴとの絡みが退廃感を加味している。

3曲目のミドルテンポ曲は間奏等で電子音(?)Gt.の刻みの絡みが

空気抵抗の様な流体的エアー感を思わせ、大空の様な

スケール感の大きさが感じられる。歌メロはヘヴィなバンドサウンドで攻め、

曲終盤ではツーバス踏んで戦車的な所も見せるぞ。

4曲目は濁り澱んだ様な退廃的に陰鬱な雰囲気漂う中、

焦り憂い緊迫感を感じさせるドラマティックかつメロディック

進行を聴かせるミドル〜アップテンポ曲だ。

5曲目は幾分アメリカン寄りのギターリフが聴けるミドルテンポ走曲で、

明るくなりきらない薄暗さを纏ったAメロ(Bは無いと思う)を経て早々にサビへと

到るのだが、そのサビは麗らかな穏やかさが感じられ、やけにポップだな。

6曲目は「悪」という言葉がピッタリ当てはまりそうなストレートにダーク

バンドサウンドによる幕開けから、ダークさは残しつつもノリの良さを感じさせる

進行へと展開。そのノリはラグビーのニュージーランド代表

オールブラックス試合前に舞う民族舞踊ハカのノリに通じるモノが有ると思う。

7曲目はバンドサウンドによるオリエンタルな風情を感じさせるパートと

重厚なパートが交互に展開するミドルテンポ曲。

8曲目はアコギのどかな空気を感じさせ、バンドサウンドとの絡みが

大陸的な広大さを演出するアメリカンハード曲。

タイアップでも取れそうな今作中最もキャッチーな曲だ。

9曲目はゴロゴロとした重みの有るBa.が幾分前面に出ており、

Gt.邪悪に、幻惑的に、ちょいとサイケな所の有る弾き回しを聴かせる。

インスト曲と言っても良い程Vo.パートが少ないミドルテンポ曲だ。

10曲目はアコギコンガの様な打楽器が織り成す

エキゾチックな民族音楽風メロディーに乗せて歌い上げる曲。

11曲目は始まりでGt.2本の内、片方はミステリアスなフレーズを奏で、

もう片方が哀愁のソロを弾き回す。それとリズム隊との絡みは

実にドラマティック良い感じだ。しかし、曲本編はこの始まり部分が

あまり関係無い様な動的なバンドサウンドへと展開する。動的な曲本編は

悪くないモノだけど、もう少し展開を考えて欲しいねぇ・・・。勿体無いわ。

12曲目はBa.の低音が漂う様な浮遊感を醸し出すドゥーム寄りの曲。

ラストの13曲目もドゥーム寄りの曲か。やる気を削ぐ様な退廃感の中に

奏でられるGt.メロウな音色がシリアスさを残す。嘆きの哀愁を帯びた

サビは救いを求める事にも疲れ果てた様な末期的な感じだな。

先にレビューした下記の「BIOSPHERE」に比べれば楽曲に多様性

感じられるし、幾分メロディックなのも好印象山田雅樹のVo.

この音楽性に合っていると思う。

・・・でも、となる曲が無いし、あまり無くても良い様な曲も有るし、

何より、個人的にはやっぱり疾走曲が欲しいんだよなぁ・・・。

アップテンポ曲でも良いから、3曲くらいは入れて欲しいよ。

評価 75点

2,8がオススメだ。

「BIOSPHERE」(03年作)

1.HELLRIDER  2.BIOSPHERE  3.SAVIOR  4.MY PRECIOUS  5.WIND FROM TIBET

6.SYSTEM CRUSH  7.THE NIGHT IS STILL YOUNG  8.SHAME ON YOU

9.BREAK MY MIND  10.SO BEAUTIFUL  11.FOR YOU

日本を代表する4人組HR/HMバンドの20th。

TOWER RECORDSポイントカード無料で購入したアルバムである。

LOUDNESSの暗黒時代と評される第4期を経て、

00年にオリジナルメンバーでの再集結を果たした。

しかし、再集結後の3作目となる今作でも、音楽性は相変わらずの

ラウドロックモダンヘヴィネス路線を主体としたモノであり、

全盛期を想起させる所はあまり無い

バンドサウンドによる俗悪かつ重厚感溢れる幕開けの1曲目は

爆音で聴く事をオススメするぞ。アグレッシヴなヘヴィリフを弾き回す

Gt.に続いてDr.が登場。二井原のハイトーンVo.も加わり、迫り来る様に

アップテンポへと展開し、ライヴではヘッドバンギング必至であろう

リズムで進行。途中、テンポダウンして気だるげなスローパートを経て

サビで疾走するぞ。間奏の疾走するギターソロはあまり面白味が無いけど、

同様に走るBa.のパートは良いなあ。

重量級の轟きを聴かせるDr.で始まる2曲目はスロー〜アップテンポ曲。

インド三部作の頃を思わせるGt.中東風のアルペジオ(多分)が

雰囲気を演出するスローパートからアップテンポの攻撃的なサビへと到る。

3曲目は1曲目の別ver.みたいな曲で、4曲目はGt.ヘヴィリフ

Ba.重低音が絡んで悪の雰囲気を演出するダークなミドルテンポ曲。

5曲目のミドルテンポ曲重い雰囲気ながら時おり叙情性が顔を出す

バンドサウンドが力強く進行し、歌メロはメロディックだな。

6曲目は80年代っぽさが感じられる走曲。曲自体は悪くない、というか

今作では良い方なのだが、もう少しヘヴィさ薄め疾走感なら

もっと良かったと思うなあ。間奏のギターソロはまた面白味が無い

7曲目は今作中一番のメロディックなロックチューンで、キャッチーさも有る

サビが聴き所だ。しかし、Gt.目立ち過ぎな印象を受ける。

8曲目はGt.怪しげな雰囲気を演出するダークヘヴィなスロー曲。

途中でミクスチャーロックっぽいコーラスが登場するぞ。

9曲目はGt.幻惑かつ幻想的な雰囲気を演出するパートと

ヘヴィなパートが交互に展開するスロー曲。

アコギによる安らぐ様に穏やかなメロディーで始まる10曲目。

LOUDNESSにしては珍しい楽器を使っているな。終始、このままかと

思ったら途中でバンドサウンドが登場し、哀愁メロのミドルテンポ曲となる。

間奏等で聴けるギターソロも哀愁を帯びていて良いな。

こういう曲をもっと増やしてくれれば良いのに。

ラストの11曲目はブルージーなロックナンバーで締めだ。

二井原のVo.が曲調に良く合っていて良いね。

となる1曲目以降が弱く人によっては確実大きなダレを感じるだろう、

というのが率直な感想だ。馬徳自身も若干感じたしなあ。

疾走、または爆走曲をもう2、3曲入れるとかして

聴き手を飽きさせない構成というものを考えて欲しいわさ。

個人的にはラウドモダンヘヴィネス路線の彼等は

決して嫌いではないのだが、似た様な楽曲が多く収録されているのは

さすがに勘弁して欲しいと思う。

リスナー側としてはもっと多様性有る作品を聴きたいのですよ。

評価 74点

1,5,10がオススメだ。

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