MASSACRE
(アメリカ)
「promise」(96年作)
1.nothing 2.forever torn 3.black soil nest 4.promise 5.bitter end
6.bloodletting 7.unnameable 8.where dwells sadness 9.suffering 10.inner demon
2ndアルバム。
09年2月21日のDiaryで記した、32枚購入した内の1枚である。
ネットで調べてみたのだが、ロクに情報が無かったので
歌詞カードに付属の解説を参考に案内しよう。
デスメタル黎明期から活動し、後進のバンドに大きな影響を与えた
チャック・シュルディナー率いるデスメタルバンド「DEATH」。
その元メンバーであるリック・ロズ(Gt.)やカム・リー(Dr.)によって結成されたのが
この「MASSACRE」である。
デモテープが世界中のアンダーグラウンドシーンで支持を得たものの、
レコード会社との契約を得る事が出来ず、一度解散に至った。
90年初頭に再結成し、91年に1stをリリースするが、92年以降は動向が
全くと言っていい程聞こえなくなり、バンドが存続しているのか
どうかすら確認出来ない状態だったという。
情報が途絶えて2年以上が経過した94年夏頃に今作を制作中である事が
報じられたが、今作のリリースまでにはさらに約2年もの月日を要した。
ファンにとっては待ちに待たされた5年ぶりの2ndである。
1stの頃はシンプルでブラストビートも一切取り入れない
オールドスクールな正統派デスメタルであった様だが、
今作の2ndでは正統派デスのスタイルは後退しており、
ビートを全面に押し出し、鋭く、キレの有る豊富な
リズムチェンジとモダンなリフ、そしてVo.でグイグイ畳み掛け、
押してくる、というスタイルである。
邪悪さに満ちていく様な不穏なイントロで始まる1曲目。
幕開けの高揚感を煽られるアグレッシヴな爆走は
ヘッドバンギング必至で実に良いのだが、途中でテンポダウンして
ダークな威風を漂わせるミドルテンポパートに展開してしまう。
決して悪いとは言わないけど、使い所を間違ってるんじゃないか?
テンションを維持したまま走り続ければ間違い無く
今作のキラーになっていただろうに。ああ、勿体無い。
終始、冷酷かつブルータルな雰囲気に満ちたミドルテンポの2曲目。
狂気の解放を思わせるブルータルなリフが聴ける3曲目。
間奏では前面に出たBa.が怜悧狡猾な酷薄さを感じさせ、
ベース音だけ聴く事に集中していると背筋に寒気が走りそうだ。
何処かで聴いた事の有る様なリフが聴ける5曲目。
抜き足差し足忍び足みたいなベースリフが聴ける6曲目は
スラム街の様な都会感が有り、Gt.が邪悪な不穏さを漂わせるものの、
ベースリフのせいか、何処かコントの様なコミカルさが感じられるな。
7曲目は軍隊の進軍を思わせる(ドドドド・・・って感じの)
力強い幕開けなのだが、歌メロになるとヘヴィロックっぽい曲調になって
砂煙を上げる感じが無くなり、力強さも減退してしまう。
もっと良い部分を維持する事を考えてほしいわ。
ラストの10曲目は邪悪さに乏しいというか、割とクリアな感じがして、
Vo.だけデスヴォイスなヘヴィロックといった感じだ。
ツーバス踏んでるパートも有るのだが、これが実に弱々しい。
全曲ほぼミドルテンポで疾走曲は無しなせいか、ちとダレを感じた。
似た様な曲が多いのもマイナス点だ。デスメタルというより
ヘヴィロックを聴いているみたいで、せめて1曲目の幕開け部分の様に
爆走する曲が3、4曲有ったらなあ、と思う。
それとも、オールドスクールなデスメタルというのはこういうモノなんだろうか?
評価 72点
1,6がオススメだ。