MORDRED
(アメリカ)
「IN THIS LIFE」(91年作)
1.IN THIS LIFE 2.THE STRAIN 3.HIGH POTENCY 4.WINDOW
5.ESSE QUAM VIDERI 6.A BEGINNING(インスト) 7.FALLING AWAY 8.KILLING TIME
9.DOWNTOWN 10.PROGRESS 11.LARGER THAN LIFE
サンフランシスコ出身のクロスオーヴァースラッシュメタルバンドの2nd。
BOOK-OFF某店にて、中古で250円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、かつてメタルシーンを賑わせた
ベイエリア・スラッシュの雄たるバンドの1つで、MORDRED名義での
活動は84年頃に始まったらしい。
スラッシュメタルにヒップホップやファンクの要素を取り入れた、
昔風に言うならクロスオーヴァー。現代的に言うならミクスチャーな
サウンドを聴かせるバンドである。
このバンドの魅力はそのごった煮のバランスにあり、その両方の音楽の魅力を
スラッシュメタルという強烈な音の上で表現してくれる所にあるという。
スクラッチをプレイするDJが加入し、6人編成となった今作に関しての
ネットでの情報をまとめてみた所、
「楽曲はややダークな色合いを感じさせるモノで、ファンクの要素を
取り入れた躍動感溢れるリズムにヘヴィなリフを乗せ、リズムの節目で
スクラッチが入って来る。曲展開も緩急を付けた幅広いアレンジが
成されている」との事だ。
デラデラ、デリデリとしたBa.が万華鏡の様な雰囲気を演出し、
Gt.のソロが絡む始まりの1曲目。スラッシュなんだけど、何となく
90年代中〜後期のヴィジュアル系のインディーズ音源の
ダークな曲っぽさを感じさせる所が有るな。
2曲目はBa.のノリの良いチョッパーにメロディックなGt.(多分)が絡む
ちょいとドラマティックでキャッチーな進行が聴け、サビ(?)で
疾走するギターリフと共にヘヴィな走りを展開する。
間奏は熱くてエキサイティングな雰囲気が有り、ギターソロもなかなか良い。
緩急を付けたスリリングかつドラマティックな進行を展開する3曲目は
スラッシュとファンクの融合具合の良さを感じさせるな。カッコ良いぞ。
TVの雑音SE、語りで始まる4曲目はしばしロック寄りのリフで進行し、
途中から米国スラッシュ四天王の某バンドの曲のパートを
パクッた様な走パートへと展開する。
6曲目は叙情的な音色のアコギによる哀愁インストで、そのまま続く
7曲目は疾走感に欠けたクランチリフを軸に進行し、
嘆きの哀愁メロへと繋がるドラマティックチューン。
間奏のドラマティックさが良く、聴き所である。
9曲目はBa.のノリの良いチョッパー等、バンドサウンドが軽快に展開。
ちょいとスリリングでグルーヴィーかつキャッチーな曲だ。
10曲目は今作で一番ストレートな突撃系スラッシュチューンだが、
リフが何処かで聴いた事が有る様な感じなので
面白味に欠けるのが残念だ。
ラストの11曲目はちょいとキャッチーさを感じさせるスラッシュチューン。
サビ等の勇ましい男コーラス(かシンガロング)が実にカッコ良い。
間奏のギターソロもなかなか良いぞ。
楽曲はまだ十分スラッシュのカテゴリーに入るモノだと思うし、メタラーも
十分受け入れられるはずだ。現代ではこの手のサウンドを聴かせるバンドが多いし、
彼等のサウンドをすんなりと受け入れているだろう。
しかし、先を行き過ぎて時代が追い付いて来なかったのか、
今作はリリースされた当時はあまり評価されなかった。
彼等は世に出るのが早過ぎたのかも。惜しいな。
評価 76点
3,6,7,9,11がオススメだ。