NIRGILIS
(日本)
「BOYS」(06年作)
1.虹 2.crash 3.Thank you for the special day!! 4.sakura 5.hard working
6.東京破片 7.24サーチライト 8.Today 9.Bed 10.コモンガール 11.ペパーミントミュージック
男女4人組エレクトロポップスバンドの3rd。
某複合量販店が閉店する際、新品のCDが300円まで値下げされたので、
その絶好の機会を逃さずに購入したアルバムだ。
ネットで調べた所、割と長い活動歴を持つバンドで、結成は93年である。
それから10年後の03年にメジャーデビューを果たすも、04年、07年に
メンバーが脱退。現在(10年4月)では「WANDS」の第三期の様に
結成当時のメンバーが一人も居ない状態になっている。
※現在は3人だが、今作当時は4人で活動していた。
このバンドに関してはバンド名だけで単純に判断して
お笑い芸人だろうと大きな勘違いをし、音源が店に並んでいた際は
「こいつら音楽もやってたのか」と、本気で思っていた時期が有った。
「洋楽〜邦楽、テクノ、R&B、ヒップホップ、ロック等の
ジャンルの垣根を取っ払ったDJ世代のポップユニット」
などと案内されていた彼等の楽曲の音楽性は、上記のジャンルの要素を含み、
ダンスビートの入った煌びやかなエレクトロポップスである。
Vo.の声質がキュート系なので、そこでまず好き嫌いが分かれるかも。
個人的には許容範囲だけどね。
満天の星が瞬く美しい夜空が思い浮かぶ1曲目の走曲。その夜空を
自由気ままに飛空する様な疾走感。煌びやかに奏でられる
Gt.は星を輝かせ、メロウな電子音(多分)が浮遊感、幻想感を
演出する。子供心に憧れを抱きそうな、夢の中の一時の様な
メロディアスさを感じるポップチューンだ。
2曲目は憂鬱な、3曲目はコミカルなメロディーのテクノポップ。
かつて「本田美奈子」が歌った事で一般にも知れ渡った賛美歌
「Amazing Grace」。4曲目「sakura」はシンガーソングライターの
「堀澤麻衣子」が歌ったモノをマッシュアップした走曲である。
そしてこの曲の出来が良いのだ。
息絶えたネロとパトラッシュの魂を天へと導く天使達の様な
神々しさと荘厳さを持った世界観に
憂いを帯びたドラマティックなメロディーとの融合が見事な曲だ。
5曲目には雨降りの光景が似合いそうな憂鬱さを感じ、
6曲目はR&Bとテクノが混ざった様なテクノポップ
7曲目のダンス系走曲は雨上がり後の湿気残りと憂いを帯びた
メロディーで進行。Gt.が虹の様なメロウさと叙情性を感じさせる。
あまり目立ってないけどKey.とかも雰囲気を出しているな。徐々に盛り上がって
到ったサビは晴れ間が顔を出し、ポジティヴなモノになる。
8曲目でやっとロックな曲が到来。曲自体はポップだが、バンドサウンドには
ロックなりの力強さが有って良し。こういう曲がもっと有って欲しいよ。
9曲目は夜明け前を思わせる冷気を感じさせる
静かな、ゆったりとした穏やかなミドルテンポ曲だ。
R&Bな10曲目は、サビはそれなりだがそれ以外がつまらん。
ラストの11曲目はKey.が女の子向けの世界観を演出するポップ曲。
ロック者には断然4曲目がオススメだ。
J-POPがそれなりにイケる人には1、7、8曲目もオススメ出来るぞ。
他の曲はロック者が聴いても面白味が無いだろうから聴かなくて良し。
もっとロックな曲が有ると思ったんだけど、正直、ハズレだったなあ。
ある程度は期待していたので残念な結果だわ。
評価 58点
1,4,7,8がオススメだ。