岡本真実
(日本)
「冬の名残」(95年作)
1.道化師の様に 2.何故なの? 3.ゆきずり 4.誰よりも望んでた 5.I Don't Cry
6.風が吹くわ(album mix) 7.低迷 8.感じてる 9.白いページの中に 10.悲しませないで(album mix)
神奈川県出身の女優の1stアルバム。
ネットで調べた所、映画監督の岡本喜八の次女であり、父親の作品にも
出演している。現在はハワイに留学中らしい、という事くらいしか分からなかった。
今作の楽曲は中高年向けのモノであり、10代のヤングには絶対的に
ウケないだろう。20代でも厳しいと思う。
1曲目はロックとフォークと演歌が混じった様な哀愁のミドルテンポ曲。
アコギの音色が日本人的な和の雰囲気を強く助長、演出し、
良い仕事してると感じさせる。
2曲目は旅人的メロディーのミドルテンポ曲。ハーモニカの吹き回しが
良いのだが、その音色を聴いているとアニメ「ムーミン」のキャラ、
「スナフキン」が思い浮かぶのは馬徳だけだろうか・・・?
3曲目はフォークとブルースとジャズが混じった様なスロー曲。
歌メロはフォーク調だが、バックの楽器陣は上記の3種が「モグラ叩き」の
モグラの如くチョコチョコと顔を出し、アレンジの上手さを感じさせる。
4曲目はスローテンポの悲歌。辛く悲しい過去を歌った歌詞はヘヴィかつ
エモーショナルで、普段、明るい売れ線ポップスばかり聴いてる人がコレ聴いたら
間違い無く引くだろうな。だが、馬徳にとってはこの曲は今作のキラーだ。
メロディーと詞が織り成すエモーションは馬徳のロックハートに
ひしひしと迫り来るモノが有る。
6曲目の「風が吹くわ」は超キラー曲。幕開けの和と中華が混じった様な、
郷愁と哀愁が同居する叙情性たっぷりのメロディーはモンゴルの
大草原の秋を想起させ、切なさに溢れるサビで馬徳は悶絶。
ヤバい!ヤバいよ!!不覚にも馬徳はコレ聴いて涙がこぼれた。
この曲に出会えただけでも今作を購入した価値が有る。
叙情性を好む全てのリスナー必聴の一曲だ!!
7曲目はミドルテンポ曲。歌メロは歌謡曲調だが、ヴァイオリン等の楽器陣が
加わったメロディーはアダルトな、落ち着いた雰囲気を出していて良い感じだ。
9曲目は冬の夜の光景が思い浮かぶ歌謡バラード。何かこの曲だけ
他の曲と雰囲気が違う様に感じたのだが、それもそのはずで、他の曲は全て
岡本が作曲しているが、この曲だけは別の作曲家によるモノだった。
曲自体は悪くないぞ。
今作は某複合量販店にて、中古で500円くらいで購入した。いつもの事ながら、
この人については全く知らないジャケ買いだった。当初は良いと思える曲が
2曲しかなく、MY BEST用に置いとくだけの存在だった。このレビューを記すために
3年ぶりくらいに聴いたのだが、受け付けられる曲は増えたものの、やはり
イマイチに感じられる曲が幾つか有り、手元に残そうという気にならなかった。
評価 67点
4,6がオススメだ。