PLATON

(日本)

「シンセカイ」(03年作)

1.スプリング  2.センリツ  3.スローモーション

4.ハートに火をつけて  5.自転に逆らいながら  6.カランコロン

4人組ロックバンドのミニアルバム。

11年5月29日のDiaryで記した、15枚購入した内の1枚である。

ネットで調べた所、00年に結成され、渋谷を中心にライヴ活動を展開。

海外アーティストの日本ツアーの前座を務めた経歴を持ち、自らが主催する

イベントに「グッドモーニングトーキョー拝啓渋谷」がある。

今作の時点ではサポートを含む4人編成だった。

ネットでは楽曲の音楽性に関して、

「USロック meets ジャパニーズ・フォーク」と例えられており、

「R&Rパンク/ニューウェイブ音響/ポストロック等、様々な時代を

吸収したそのサウンドはUSインディーズ的なアプローチを根底に持ちつつ、

日本のフォークにも通ずる類い稀なポップセンスを有すると紹介されていた。

Vo.の声質はか弱い少年的ハイトーンであり、

なのかなのか分かり辛いモノだな。

ノックする様なバスドラに始まる1曲目はぬぼ〜っとした感じのBa.の低音、

揺らめいたり突っつく様にツンツク弾き回されるGt.

坦々としたDr.が絡んでちょいと不穏ポストロック風の雰囲気を醸し出す

スロー進行からミドルテンポでの浮遊感有る力強い進行へと展開。

サビは無いみたいで、力強さそのままの間奏は高く登っていく様な感覚が有るな。

2曲目は曇り空の様な灰色の雰囲気を纏ったスロー進行の中で

Dr.力強い存在感を放っている様に感じられる。バンドサウンドが

炸裂感有る盛り上がりを見せるサビは大仰ではないが

叙情的かつエモーショナルだ。

3曲目は憂鬱な雰囲気日常的メロディーのスロー曲。

Gt.の弾き回しは感情の揺らめきを表現したりメロディックだったり

ドラマティックだったりと、その表情をくるくる変えており、面白いな。

目立たないけどSEやら電子音が混じってるみたいだ。

4曲目はGt.孤独を感じさせる物悲しい哀愁のフレーズを奏で、

そこに絡むBa.歌う様なグルーヴを放つ。これは面白いな。

控えめかつ坦々としたDr.は孤独感を助長する役割か。優しい感じの

歌メロとのマッチ感も良い。このしっとりとした感じの流れから到った

サビは叙情的かつエモーショナル盛り上がりを展開するのだが、

これまでの流れは何だったのか、って気がするなあ・・・。何か勿体無いわ。

SEだか電子音だかが水気を感じさせる始まりの5曲目は

ポストロック風の雰囲気バックで展開する中、バンドサウンドは

ちょいとフュージョンっぽいメロディアスな進行を聴かせる。歌メロからは

叙情的な様でゴチャゴチャした様な整合感の無いモノになり、

よく分からんうちに終わってしまう訳分からん曲だ。

ラストの6曲目はGt.ライトなリフに始まり、にぎやかな感じのバンドサウンドが

登場するも歌メロに入るとにぎやか感が消滅骨太というか、

肥満体の様な存在感のBa.が目立った穏やかな進行を展開。途中から

段々ノリが良くなっていくが盛り上がりきらずに穏やかパートに戻る。

曲の最後の方は再びにぎやかになり、手拍子も加わるが

メンバーのふざけた笑い声で終わるのが訳分からんわ。

「これらの曲をライヴで演って盛り上がるんだろうか?」

などと思ってしまったのは、大まかに見て、全体的に内省的な感じの曲で

占められているという印象を受けたからだろう。

個人的には決して暗い曲嫌いな訳ではないけど、そればかり

というのもねえ・・・。これだけだとライヴに行きたいとは思わないわ。

まあ、曲の出来自体は悪くない。ただ、もう少し分かり易さが欲しいかな。

評価 75点

1,2,4のしっとりパートがオススメだ

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