PRAYING MANTIS
(イギリス)
「TO THE POWER OF TEN」(95年作)
1.Don't Be Afraid of The Dark 2.Bring on The Night 3.Ball of Confusion(TEMPTATIONSのカヴァー)
4.Welcome to my Hollywood 5.Another Time, Another Place 6.To The Power of Ten
7.Little Angel 8.Victory 9.Only The Children Cry
10.Night and Day 11.Angry Man
4thアルバム。
PRAYING MANTISでは最初に購入したアルバムである。
某CD店が閉店する際、値下げ品として500円で販売されていたので
購入してみた。大抵ジャケ買いしている馬徳としては、今作はあまり良いとは
思えなかったのだが、500円という値段は見逃せず、購入した訳だ。
しかし、ジャケはともかく楽曲は馬徳のメタルハートを掴むには
十分なメロディックメタルであった。
このバンドはとにかくVo.が安定しない事や、諸事情による活動の停滞が
悲しいくらいに不遇過ぎる事で知られているが、今作でVo.を務めるのは、
マイケル・シェンカーの「MSG」での活動で知られるゲイリー・バーデンである。
劇的なイントロで始まる1曲目はアップテンポ走曲。曲本編に入る際の
ツインリードのGt.が哀愁を放っているのが良い。
黄昏た感じのサビも良く、掴みはOKだ。
2曲目はアップテンポ曲。イントロのGt.の音色が凄く良い。歌メロの部分は
大して感じるモノは無いがサビが良い。間奏のギターソロも良いぞ。
3曲目は「TEMPTATIONS」のカヴァー。原曲は知らない。ネットで調べると
「この曲は入れなくても良い」とか、「必要性を感じない」
といった意見が多いのだが、個人的にはそうは思わない。結構良い感じだと思う。
メロディアスな4曲目はイントロからカッコ良い。Gt.の音色が馬徳のツボだ。
そして哀愁を帯びたサビは胸に迫るものが有る。
タイトル曲の6曲目はアップテンポ曲。水滴の様なKey.(多分)から
ヘヴィに曲本編に入る。歌メロ部分のコーラスも良いのだが、
サビの勇壮に感じるコーラスが凄く良い味を出している。
一緒にコーラスやりたくなる程に馬徳のツボだ。
サビから始まる7曲目は、明るく爽やかなハードポップチューン。
この曲、ビールのCMか何かで使われてなかったかな?
キラキラしたKey.のイントロから始まる8曲目は明るく爽快な疾走感の
大衆的なハードポップ曲。間奏ではフュージョンっぽさが有る。
良い曲なんだけど、メタルとしてはちと明る過ぎる気がするな。
9曲目はメロディアスな疾走曲。イントロでGt.が放つ官能的な哀愁の音色は
日本人的にグッと来るモノが有ると思う。Aメロのリフが好みだ。
エモーショナルな歌唱も良いしサビのコーラスも美しい。
ラストの11曲目はノリの良いロックンロールで締め。最初に聴いた際は
大した曲には思えなかったのだが、聴き込んだら結構良い感じだった。
今作は迷いだの散漫だのVo.が楽曲に合ってないだのと
あまり評価は良くないのだが、個人的には十分楽しめた。
Vo.が楽曲に合ってないなんて事も無いと思うぞ。
評価 83点
1,4,6,7,9,11がオススメだ。
「FOREVER IN TIME」(98年作)
1.WASTED YEARS 2.THE MESSIAH 3.BEST YEARS 4.BLOOD OF AN ANGEL
5.VALLEY OF THE KINGS 6.CHANGES 7.MAN BEHIND THE MASK
8.REMEMBER MY NAME 9.THE DAY THE SUN TURNED COLD 10.FOREVER IN TIME
5thアルバム。
デビュー以来、とにかく流動的なメンバー構成である所は今作でも健在で、
Vo.のゲイリー・バーデンは脱退し、その後任にはトニー・オホーラが迎えられた。
トニーのVo.はこれといった特徴の無い、普通の高音だが、
MANTISのメロディーを生かすにはこちらの方が良いという意見が
大半だ。個人的にはゲイリーでも良かったんだけどなあ・・・。
1曲目はキラキラしたKey.のイントロで始まり、そこにバンドサウンドが
加わる部分が凄く格好良い。ここでもう思い切り期待を煽ったよ。
曲自体は初っ端から哀愁のメロディー炸裂の走曲だ。
2曲目は中近東風メロがちょいと顔を出すミドルテンポ曲。
サビではコーラスのハーモニーが良い味出してるぞ。
3曲目「BEST YEARS」はMANTISの最高傑作の呼び声高き一曲だ。
馬徳は今作のレビューを作成している現在(09年7月)、まだMANTISの音源は
全部は聴いてないのだが、分からないでもないぞ。この曲は馬徳に
クサメロとはこういうモノを言うのだ、と教えてくれた曲なのだッ!!
イントロから曲本編に入った際にまずクサギターが炸裂!たまらん!!
哀愁のメロディーで進行し、到ったサビは感動的で泣きで美しくて哀愁で
コーラスがまたすっっっごく良い仕事してて、
とにかくクッセェェェェェェ!!!!!!
でもって間奏のギターソロが良く、終いの震える音色がまたツボで、ラストの
サビ繰り返しは一番盛り上がって再びクサギターが炸裂し、
黄昏た感じで幕を閉じる。クサメロ好きなら必聴の名曲だぞ。
4曲目は勇壮なメロディーのミドルテンポ曲。サビが聴き所だ。
一緒にやりたくなるコーラスが凄く良い。
5曲目はドラマティックな慟哭のミドルテンポ曲。
この曲のコーラスも一緒にやりたいって思わさせられるなあ。
彼等のコーラスワークはホント良い仕事してる。
6曲目もミドルテンポ曲。雰囲気は暗いのに何処か陽気な感じが有る。
サビは力強さと勢いが有って良いな。
7曲目は切なさと若干飛翔感を含んだメロディアスな走曲。
何処か和の雰囲気を感じるGt.のイントロで始まる8曲目は叙情バラード。
在りし日を思い返す様な感じの曲で、終盤、盛り上がるパートは
神々しさを含んだメロウなモノになる。
9曲目は走曲。サビのコーラスは「KORPIKLAANI」の様な
民謡メタルっぽく、間奏ではフラメンコのリズムが聴ける。面白い試みだな。
ラストの10曲目はミドルテンポ走曲。サビは叙情的で良いんだけど、
それまでが大して感じるモノが無いなあ。
昔からのファンには今作の方に軍配が上がるだろうけど、個人的には
前作も気に入っているので、どちらも聴いて欲しいな。
評価 83点
3,4,5,7,8がオススメだ。