パルナス

(日本)

「夜明ケ前」(02年作)

1.夜明ケ前  2.カオスの空  3.真夏  4.彗星  5.花あらし  6.虹を渡れ(ボーナストラック)

京都在住の4人組ロックバンドの1stミニ。

BOOK-OFF某店にて、中古250円で販売されていたのを購入した。

ネットで調べた所、98年にVo.の梶本浩司を中心に結成されたバンドで、

メンバー全員なのかはハッキリしないが、京都大学の軽音部に所属していた様だ。

結成以降、マイペースなライヴ活動を展開し、デモテープを作り続け、

00年に完全自主制作で今作をリリースしたという。

今回レビューするのはリマスタリングを行ない、1曲追加した再発盤である。

楽曲の音楽性に関して、ネットでは

「昭和の匂いのする和製ポップをベースにしながらも、

そのメロはOasisかWeezerかというくらい泣けるロック」

などと紹介されていたが、Vo.の梶本曰く、歌謡ポップとの事だ。

Gt.アルペジオが曲名通りに夜明け前の光景を想起させる始まりの1曲目。

雰囲気にはこれまた曲名通りに夜明け前の若干肌寒い感じが有る。

長年連れ添った老夫婦の様な穏やかさを持った曲だ。

2曲目は子供めいた冒険心探究心を思わせるワクワク感の有る

明るい曲だ。目立たないけどGt.リフがそれっぽさを出しているな。

間奏の叙情性を含んだノスタルジックなギターソロは短いけど良い感じだ。

ノスタルジック3曲目は今作一番のオススメ曲。2本のGt.

黄昏時の寂しげな雰囲気を演出する良い仕事をしている。

聴き所は世界を紅に染め上げる夕陽雄大な光景を思わせるサビで、

哀愁を含んだ叙情性を強く感じさせる泣きメロには

胸に迫るモノが有り、不覚にもが出そうになった。

4曲目はGt.Ba.浮遊感と若干の脱力感を演出する憂鬱げな曲。

5曲目はA、Bメロでは悩み迷いを感じさせるも、サビではそれ等を

吹っ切って前に進もうとするポジティヴさが前面に出る。

足取りを思わせるバンドサウンドは明るく力強い

ラストの6曲目は物思いにふける様な憂鬱さをバンドサウンドによる

リフが演出する日常的メロディーのポップな曲。

先にレビューした2ndミニの出来が割と良かったので購入に到った訳だが、

今作は曲調は違えど、穏やか系の楽曲で占められており、

全曲ミドルテンポ。次作を聴いた後だと、ちょいと不満に感じられるかもなあ。

1曲1曲は悪くないので、勿体無いというか、残念というか・・・。

評価 76点

全曲オススメだ。

「エモーション」(02年作)

1.エモーション  2.依るところなく佇む心  3.フォークロック  4.シロ  5.白鯨(D-studio Live version)

京都在住の4人組ロックバンドの2ndミニ。

09年2月21日のDiaryで記した、32枚購入した内の1枚である。

BOOK-OFF某店にて、105円という捨て値で販売されていたから

購入した訳で、正直、大して期待してなかったのだが、

聴き込んでみると予想外良い出来だった。

感情を刺激する様なギターサウンドで始まる1曲目は、歌メロで爽やかに

晴れ渡った清涼感夕焼け時のノスタルジックなメロディーが

交互に展開してサビに到る。Vo.がメロディーにマッチしていて良いな。

2曲目の歌メロは思い悩む様な沈みがちのメロディーから、

感情を解放し若さにまかせて突っ走る様な疾走パートに展開する

青春系エモメロ曲。Vo.下手だが、この青春系曲にはその方が

学生的ヤングメンズな雰囲気を出してて良いな。

3曲目はほのぼのとした日常的メロディーのミドルテンポ曲。

この曲もVo.がメロディーにマッチしていて良いな。こういう曲は好みだよ。

キラー曲到来の4曲目はノスタルジック叙情走曲。

ノス(略)叙情メロ好き強くオススメ出来るだろう。

切なさが加味された部分は特に良いな。

何故かこの曲だけスタジオライヴ録りな5曲目はダウナーなミドルテンポ曲。

1〜4曲目と比べて、歌唱が下手に聴こえない普通、だろ。

個人的にはやはりスタジオ版で聴きたいんだけどなあ。

1stミニと比べるとメリハリの良い曲構成であり、わずか5曲ながら

それなりの評価を出せる、なかなかに出来の良い作品だ。

ネットではハッキリとした情報が見付からなかったのだが、バンドはこの後、

解散に到る。Vo.の梶本浩司は現在「ワゴンズ」というバンドで

活動しており、HPが有るので興味の有る人は寄ってみるといいだろう。

評価 77点

1,2,3,4がオススメだ。

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