QUADRA
(日本)
「お茶の間的にどうよ?」(04年作)
1.Pick Up the Pieces 2.淡水蒼茫 3.Well, You Needn't 4.Come Sunday
5.Tears of the Sparrow 6.La Valse a Margaux 7.Preludio XX+I 8.はじめてのチュウ
9.Brass Feather 10.The Christmas Song〜Rudolf, The Red-Nosed Reindeer
4人組SAX四重奏団の2ndアルバム。
97年に結成されたグループで、メンバー4人の活動歴は様々だが、コンテストで
グランプリを獲得したり音大に入学したり楽団に参加してたりと、
メンバー4人はなかなかの実力者である。
彼等の楽曲に関してネットで調べると、
ジャズ、ロック、ポップスに留まらず、ブラジリアン、タンゴ、
ミュゼット、日本民謡、さらにはバロック音楽まで、あらゆる
ジャンルを呑み込む摩訶不思議なサウンドとある。
果たして、その摩訶不思議なサウンドは馬徳を楽しませてくれるのか!?
1曲目は都会的で華やかなサウンドの曲。
ムーディーなイントロで始まる2曲目は静かな雰囲気を纏った
落ち着いたメロディーで進行し、中盤、コミカルな面も聴かせて
ドラマティックな感じの後半へと展開する。
3曲目は抜き足差し足忍び足みたいなイントロから、危うく見付かりそうに
なったっぽいフレーズが奏でられ、危機を逃れて行動再開した様な
メロディーに展開し、幾つかのシーンが思い浮かぶ怪盗的ドラマティック曲だ。
4曲目は都会の夜の大人の恋愛模様的ムーディー曲。
スパニッシュな哀愁メロで始まる6曲目は社交ダンス調サウンドで
進行し、途中で一度区切って、哀愁、情熱、陰鬱、それ以外のも有るけど、時おり
感情的で生々しさを含んだモノを聴かせるドラマティックな展開になる。
8曲目は有名曲「はじめてのチュウ」。
昔、「キテレツ大百科」のアニメのEDで流れてたアレだ。
個人的にはアニメの内容と曲が全然合ってない印象が有ったなあ。
・・・まあ、そんな話はどうでもよく、
イントロではそれっぽい感じはしなかったのだが、歌メロ部分からは
それだとわかるメロディーを聴かせる。知ってる曲なためか、今作では
これが一番好印象だった。「IOSYS」の音源ではピアノアレンジの歌モノで
撃沈されたが、歌無しでサックス主体のアレンジモノならイケるかも
しれんな。QUADRAでも同人音楽制作集団でも良いので、
思い切ってチャレンジしてみてくれないかな。
ダンサブルで躍動的なサウンドで始まる9曲目は、そのまま全編通して
進行すれば凄く良い感じなのだが、途中でテンポダウンして、その部分は
あまり面白味が無いので興ざめしてしまうんだよな。
全編通して聴いた感想としては、
ジャズ調の曲にドラマティックな要素を含んだ曲が多いな、という事。
元々、ジャズはそういうものなのかどうかは、あまりジャズを聴いた事の無い
馬徳にはよく分からないが、まあ、個人的にはそう思ったのよ。
ただ、SAXだけじゃやっぱり物足りないんだよなあ。SAXだけでもそれなりに
良い感じのサウンドになっているので、他の楽器も加えて彩り豊かなモノに
出来てればかなりの高評価になってたかもなあ。
評価 56点
8がオススメだ。