RECO.

(日本)

「飛行機雲の見えた夜」(06年作)

1.case  2.Miiror  3.ハイイロメイロ  4.4月  5.ランプ

男女4人組ロックバンドの1stミニ。

BOOK-OFF某店にて、中古280円で販売されていたので購入してみた。

ネットで調べてみたのだが、彼等に関する情報は少なかった。

結成時期は不明東京都内を中心に活動し、13年に解散へと至っている。

分かったのはこの程度。バンドのウェブサイトもすでに閉鎖されているため、

詳細を得る事は出来無かった。

『唄は声、ベースはガードレール、ドラムは街灯り、ギターはストーリー、

4人編成で描くジャンルは、夜空です』

空間系エモロックバンドを自称する彼等は、

自分達が作り出す楽曲の音楽性について、この様に形容している。

ネットでは楽曲の音楽性に関して、

『シンプルな楽曲からは、純粋、ドラマチック、青春という言葉を

思い浮かべる事が出来る。知らない風景を切り取った様な音は、

彼等が言葉ではなく景色を奏でるこだわりが有るから』

『東京を中心に活動している男女混声ツインVo.バンド、

(途中省略) 男性Vo.はアンニュイかつハイトーン気味であり、

透明感の有る女性Vo.との相性はなかなか。

SCARLETやCONDOR44などの日本のツインVo.オルタナ辺りにも似た

ヴォーカルワークと言えるだろうか

と紹介されていた。

個人的には、オルタナ系の叙情ロックと解釈している。

1曲目はスロー曲。暗闇を思わせる静寂の中、弾かれるGt.の音色が

エモい仄かな灯りとなってこぼれ、Dr.淡々と展開する始まりから、

さして間を置かず、もう一本のGt.、男女Vo.、Ba.が登場。

全楽器登場後、Gt.は片方が叙情性を。もう一方はドラマティックさを演出する。

それにリズム隊が絡んで黄昏時を思わせるダウナーな雰囲気を醸し出す。

男女Vo.はメロディーを歌うというより雰囲気を引き立てるための添え物

といった感じだ。サビ(多分)はあまり盛り上がらないため、

有るのか無いのかイマイチ分かり辛かった

曲終盤はバンドサウンドが幾らか前に出て己の存在を主張するぞ。

ふて腐れた様なギターリフに続いてバンドサウンドが登場する始まりの

2曲目はスロー曲。淡々としたリズム隊に閉塞感を演出するGt.女性Vo.

絡む事でドラマティック寄りの進行を聴かせる。

叙情性有るサビは男性Vo.に交代するが、マッチ感はイマイチだな。

2番のサビ後、何故か打ち切られる様に唐突な感じで曲が終了する。

3曲目は明るめのGt.を軸に進行するスロー〜ミドルテンポ曲。

活気の有る動的なバンドサウンドが展開され、女性Vo.大人しめの歌唱

でもってポップな歌メロを歌い上げる。途中で一度テンポダウンし、そこから

叙情性を放つGt.が加わり、至ったサビはちょいとノスタルジック哀愁メロだ。

盛り上がりには幾分欠けるが、まあ良しとしておこう。

この後、2曲目と同様に打ち切りの如く曲が終了してしまう。

4曲目はスロー曲。大人しいDr.しんみりとした雰囲気を演出する

二本のGt.で始まり、あまり間を置かず男性Vo.が登場。更に少し間を置いて加わる

Ba.の低音が雰囲気に閉塞感を加味して進行する。

サビは叙情性漂う哀愁メロで中程度に盛り上がる。サビ後はまたまた

打ち切りっぽく終わりそうな気配を見せるが、今回は違って、再び盛り上がりを

見せた後、後奏へと至る。

ラストの5曲目はスロー曲。テンポの遅いDr.何かに苦悩する様(さま)を

思わせる憂苦(ゆうく)のGt.に始まり、少しして男性Vo.とBa.が加わり進行。

大して盛り上がりも見せずサビ(多分)へと至り、女性Vo.が登場。

男性Vo.とのハーモニーは、まあ悪くはない。サビ後は叙情性漂うパートに

移るのだが、この部分の男女Vo.有っても無くても良い様な感じだな。

で、そのまま後奏へ進行して幕切れとなる。

玄人向けの作品だな、というのが率直な感想だ。

正直、一般受けはなかなか難しいだろう。

個人的評価する部分としては、打ち切る様な感じで曲を終わらせたり、

サビの有無が分かり辛かったり盛り上がらなかったり等、

一般的な曲展開に沿わない曲作りの姿勢を挙げておく。

※嫌味ではないので勘違いしない様に。

問題点としては、メロディーもそうだけど、叙情性やエモさなど、

聴き手の琴線に触れる要素もっと増強する必要が有ると思う。

上記の様に、一般的な曲展開に沿わなかったりする訳だから、別の部分で

聴き手を惹き付けるモノを幾つも用意しなければなるまい。

この課題を克服出来れば、もっと多くのリスナーにアピールする事が可能だと思うぞ。

評価 72点

3がオススメだ。

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