Route90

(日本)

「Hidden Door」(12年作)

1.Hidden Door  2.The Mother Sea  3.Let Me Go To New Orleans

4.Dawn Of Miyako  5.Thorbbin' Fast

4人組ブルースロックバンドの1stミニ。

某複合量販店にて、新古品9割引きセールの対象商品として

販売されていたので購入してみた。

ネットで調べた所、06年に結成されたバンドで、東京を拠点として

関東エリアのライヴハウスを中心に活動を展開。

プログレッシヴロックバンド「GERARD」の長谷川淳(Ba.)が在籍している事でも

知られている様だが、現在(16年8月)はVo./Gt.のHideki以外のメンバーが

全員脱退しており、バンド自体も活動休止中である。

ネットでは楽曲の音楽性に関して、

「ブルースの血を脈々と受け継ぎ、ブルースが

アメリカン・ロックへと派生した時代のサウンドを強固に貫く

ギターストロングなライヴバンド」

「贅肉を全て削ぎ落としたかの如き強烈なアメリカン・サウンド。

彼等はこれを"Power Bluez Sound"と称する」

と紹介されていた。

個人的には、ブルージーなアメリカンロック単純に解釈している。

1曲目はGt.Ba.が放つ急ぎ足で歩く様なグルーヴを軸に

ミドルテンポで進行。軽快なDr.が絡む事で明るい空気を作り出している。

もう一本のGt.ブルージーでいてアメリカンなノリの良さを放つ

ソロの様な弾き回しを始終展開している。

Vo.で始まる2曲目はダウナーな曲調のスロー曲。憂い悲しみといった

気持ち的な重さではなく、気が進まず、面倒に思う億劫さ

強く感じさせる曲調だ。その様子をGt.エモく、ドラマティックに表現している。

3曲目もダウナーなスロー曲で、こちらの曲調は脱力感が出たモノだ。

空気は明るめだが、寝起き直後の様な気怠さを感じさせつつ

のそのそと進行。時折、コミカルな部分も顔を出す。

Gt.は2曲目と同様に、その様子を上手く表現している。

4曲目は、序盤はスローテンポで進行。ひっそりとしたDr.メロウGt.

夕暮れ時の様な雰囲気穏やかな時間の流れを演出し、

歌メロに入るともう一本のGt.が登場。淡々とした刻み

時間の流れを幾らか速めている様に感じさせる。

途中からBa.が加わり、曲調が変更。低音を得た事でサウンドの感触は

骨太寄りのモノとなり、力強さを加味したミドルテンポでの進行となる。

サビはメロディアスに盛り上がるが、何処かが有り、明るくなりきらない感じだ。

ラストの5曲目はミドルテンポ曲。リズム隊による

悠々たる足取りでのんびりと歩く様なグルーヴを軸に進行。

二本のGt.はタッグを組んでブルージーながらアメリカンなノリの良さ

カラッとした明るい空気を放ち、それでいてコミカルさを含んだ

ドラマティックさを演出する。始終展開するその弾き回しは、ソロの様であったり、

リズム隊のグルーヴに加わったり等、色々やっているな、という印象を受ける。

良くも悪くもブルースロック、というのが通して聴いた率直な感想だ。

楽曲の出来自体は良いと思う。しかし、アピール出来るのは

この音楽性を好むリスナーにだけであり、それ以外には難しいだろう。

一般リスナーにもアピールするためにはもっと工夫が必要だ。

評価 73点

1、5がオススメだ。

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