SPAED

(日本)

「SPAED Vol.1」(94年作)

1.Ambition(インスト)  2.confess〜ザンゲ〜  3.last dance

4.ロメオとジュリエット  5.Get You  6.fall  7.Twenty First Century

8.Sterility  9.Love affair  10.Gina  11.Romance

1stアルバム。

バンド名は「スペイド」と読む。

このバンドに関してメタラーアピール出来る部分というと、

「44マグナム」の広瀬さとし(Gt.)と、「LOUDNESS」の山下昌良(Ba.)が

メンバーだという事くらいだろうか。

何故かというと、このバンドの楽曲はメタルではなく、ロックだからである。

今作を通して聴いて思った事は、サウンドプロダクションが悪い事。

奥に引っ込んだ様な感じで聴こえるため、曲の良さ伝わり辛いのだ。

そのためか楽曲が古く感じる。これは楽曲の良し悪し以前の大きなマイナス点だ。

しかし、今作にはキラーが存在する。現在(08年11月)でも

馬徳のロックハートを掴んで爪を突き立てるクサメロキラーチューン

それは4曲目の「ロメオとジュリエット」だ!!

イントロからして何かを感じるミドルテンポのこの曲は名曲だ。

曲本編に入るGt.の音色がゆるやかに展開し、歌メロに入る。

Vo.エモーショナルな歌声を聴かせ、哀愁を含んだドラマティック

歌メロは徐々に速度を上げつつ、サビへと到る。

そんなに大きく盛り上がる訳ではないサビだが、胸に迫るものが有る。

2番の途中で展開する間奏のギターソロが雰囲気を演出する様に鳴り響き、

繰り返しのサビに入る前のGt.の音色が染み入る様に胸を打つ

そしてサビを繰り返して終わる。この名曲に出会えた事をから嬉しく思う。

この一曲のために今作を買っても損は無いマジでそう思う。

4曲目の事だけ延々と記したが、他の曲が全部駄曲なんて言うつもりは無いぞ。

サウンドプロダクションの悪さのせいで楽曲の良さが伝わり辛いというだけの事であって、

曲がつまらなかったという訳ではないんだ。

評価 76点

3,4,7,9,11がオススメだ。

「SPAED Vol.2」(95年作)

1.DESOLATION  2.レクイエム  3.Naked Wolf  4.RUM  5.The Age of Illusion

6.Orchid  7.Tin Toy  8.TRAMONTANA  9.Private Satisfaction  10.Ballade

2ndアルバム。

前作に関して、ちょっとだけ昔話をするが、実は前作は気に入らなくて

一度BOOK-OFF行きになった事が有った。じゃあ何で今、手元に有るかというと、

次作である3rd凄く良い出来だったので、買い直して聴き込んだ結果、

手元に残り、レビューに到ったのだ。では、その中間である今作はどうなのかというと、

正直、1stとそんなに変わらない出来である。まあ、前作の欠点であった

サウンドプロダクションの悪さ多少改善されてし、楽曲の質も

向上している。前作の「ロメオとジュリエット」の様なキラーチューンこそ

無いものの、安定感聴き易さといった面では今作の方が上だ

前作もそうだったが、楽曲は若者受けするロックではなく、

20代半ば〜30代辺りのリスナーにウケるだろう大人向けのロックだ。

前作が許容範囲の人は今作も聴いてみると良いだろう。前作同様、捨て曲は無いぞ。

次作の3rdで彼等は大きな進化を遂げる。

評価 76点

全曲オススメだ。

「Physique」(97年作)

1.Physique(インスト)  2.Ego  3.You are my only sunshine(alternate version)  4.Miscast

5.Soul love  6.Sherry   7.control  8.DON'T DISTURB  9.Believe My Soul

10.悪い噂  11.Dilemma  12.Set Me Free

3rdアルバム。

今作をリリース後、SPAEDは活動の幕を下ろす。だが、彼等はラストアルバムで

最高傑作を作り上げた。上記の前作のレビューで記したが、過去に

1stを一度BOOK-OFF行きにした事が有った。しかし、今作を聴いた事により、

買い直して聞き込んだ結果、手元に残った。

今作を聴く事が無ければ、SPAEDのレビューページが作られる事も無かったのだ。

馬徳にとってはロックの名盤と言える一枚である。

今作ではデジタルサウンドを導入している。楽曲自体は相変わらずで、

20代以降のリスナーの方がウケるだろう大人向けのロックだが、

良質な融合を果たし、彼等の個性を損なう事無いモノになっている。

サウンドプロダクション良質だぞ。

サントラ曲っぽいアダルティックなインストの1曲目からそのまま続いて

始まる2曲目「Ego」1st「ロメオとジュリエット」に引けを取らない

キラーチューンだ。A、BメロではGt.妖しさを、Ba.退廃感を演出し、

末期的な疾走感のサビをVo.アダルティックに歌い上げる。

Gt.ピロピロと速弾き回される間奏後、サビ繰り返しに続く曲の最後は

エモーショナルに弾き回されるギターソロでもって締め。最高だぜ!!

この一曲のために今作を買っても損は無い。まさに名曲よ。

3曲目は寂しげなメロディーのミドルテンポ曲。薄暗い感じの雰囲気を

醸し出すKey.良い仕事をしている。

4曲目は重厚Ba.が前面に出たミドルテンポ曲。

マフィアの様な悪どい雰囲気を感じる都会感の有る曲だ。

5曲目は疾走感溢れる哀愁の疾走曲。部分的に奏でられる

甘美なハープ(多分打ち込み)や心を揺さぶるKey.良い味出してるぞ。

6曲目はアコースティックなバラード。目を閉じて聴き入り、

心地良い余韻に浸る事が出来そうな穏やか優しい曲だ。

7曲目はミドルテンポ曲。A、Bメロは心の内に何かを抱えている様な

内向的メロディーで進行する。Gt.心の理性を削り取る様に奏でられ、

到ったサビは感情的に盛り上がる。

8曲目は力強く打ち込まれるDr.が前面に出たアグレッシヴな疾走曲。

9、10曲目は叙情ミドルテンポ曲。9曲目は退廃的な曲調で、揺らめく様に

妖しさが漂う。10曲目はダークグルーヴィーな曲だ。

ラストの12曲目はルナティック冴えた叙情性を含んだを想起する

メロディーの走曲。叙情性が濃くなる上に飛翔感が加わるサビが聴き所だ。

出来れば終盤にもう一曲疾走曲が欲しかった。そうすれば上手くまとまって

評価ももう少し上がったんだけどね。でも、全体的には十分に

高評価を与えられるだけのモノが有った。

今作を強くオススメするぞ。興味を持ったら購入して聴いてみて欲しい。

評価 86点

全曲オススメだ。

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