SPASMOM
(日本)
「amoeba」(98年作)
1.season 2.V 3.out sun 4.counter 5.super clinic 6.turbo
7.top porno 8.画家とモデル 9.no on 10.sun shine speaker
2ndアルバム。
BOOK-OFF某店にて、中古で250円で販売されていたので購入してみた。
94年頃に結成された大阪府のバンドで、現在(10年5月)では
既に解散している。ネットで調べてみても詳細な情報が無かったので
正直、困った。楽曲の音楽性はハードコアらしいのだが、
個人的にはロックにしか聴こえないんだよなあ。
そこに複雑かつ綿密な展開を加える事によってアクロバティックで
グルーヴィーなロックに仕上がっている。Vo.入りだけど
歌モノではないのでインスト作品と思って聴くのが良いだろう。
シンバルのカウントに続き、顔芸でも披露する様なリズム落ちの
イントロで始まる1曲目は困惑と焦りを感じさせるパートが交互に展開する
疾走を開始。サビは無いみたいだな。曲後半ではスペーシーな
雰囲気のパートも有るぞ。
2曲目は混乱気味な疾走と混乱に拍車を掛ける様なリズム落ちが
交互に展開するせわしなくて奇天烈な曲展開の走曲だ。
エンジン音のSEで始まる3曲目はGt.2本が加わり薄暗い雰囲気を
演出し、リズム隊が加わってスペーシーでノリ良く走る
曲本編へ突入する。ちょっとは歌モノっぽさも感じられるな。
4曲目はエモーショナルな疾走を聴かせる40秒程の短い曲。
5曲目はさらに短い30秒程の曲だが、めまぐるしい曲展開を聴かせる。
6曲目はファミコンの探偵モノADVゲームミュージックの様な
メロディーで緊張感を感じさせ、ショッキングな場面を思わせる
スリリングなパートへも展開。「キャアアアァ〜」といった
悲鳴の様な喚きも飛び出すぞ。
ちなみに、この曲を聴いて馬徳の脳裏に思い浮かんだのは
「さんまの名探偵」だった。
7曲目は電子音が電脳空間みたいな雰囲気を演出する始まりから、
今作においては割と普通寄りな走りへと展開する。
8曲目は今作最長の約7分の曲で、スペーシーというか
コンピューターに囲まれている様な雰囲気をGt.がバックで演出。
ドライヴ感の有る、UK寄りのロックンロールっぽい走りを聴かせる。
9曲目は軍隊の行進みたいな打ち込みサウンドで始まり、
怪しさ、不穏さを演出する様な曲本編へと展開。
電子音がバックでオタマジャクシの様にチョロチョロしている。
ラストの10曲目はパンキッシュなロックンロール疾走曲で締めだ。
個人的にはこの手の曲は好みだから良いんだけど、せめて
こういう曲くらいはマトモな歌詞でやって欲しかったな。
曲は3曲を除いてほとんどが3分以内であり、それなりのメロディックさも
備えているため、出来の悪いプログレ曲の様な無駄な長さは
感じる事無く、アクロバティックな曲展開に関しても
曲をつまらなくするものではなかった。
馬徳の好みの許容範囲ではあるが、本筋からは少々外れているので
下記の評価な訳だが、決して出来は悪くない。
聴く人によってはもう少し上の評価が与えられているだろう。
評価 76点
3,6,10がオススメだ。