SPORTS
(日本)
「This Here Giraffe」(02年作)
1.I Like Sports 2.P.I.L. 3.SALON MUSIC 4.Ping! Pong! 5.Washing Machine
3人組ロックバンドの1stミニ。
BOOK-OFF某店にて、中古で105円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、結成は01年。渋谷、下北沢を中心にライヴ活動を展開し、
04年にメジャーデビューを果たす。2枚目のシングルの
主婦が頭で皿を割り続けるPVが話題になったそうだ。
ベーシストの安定に恵まれなかったバンドでもあり、02年に今作のリリースと
同時に当時のBa.が脱退。後任に元「ハートバザール」の永井紀子が
加入するが、彼女も05年に脱退してしまう。以降はメンバー2人の
ユニットとして活動していたが、07年に活動休止へと至っている。
楽曲の音楽性に関して、ネットでは
「デジロックを思わせる4つ打ちのビートを基本にしたシンプルな
リズム隊に、オルタナやニューウェイブを思わせるギターリフが
延々と続き、聴く者をどんどん高揚させていく楽曲は
ジャパニーズ・ロックの叙情性と洋楽的広がりが同居する」、
「シューゲイザーにも通じる耽美な世界観をグルーヴに満ちた
バンドサウンドで鮮やかに表現するギターロックバンド」
・・・などと、紹介されていた。
個人的にはオルタナ系のギターロックと単純に解釈している。
1曲目はちょいとコミカルなGt.に始まり、バンドサウンドが登場。
のんびりとした感じのミドルテンポ曲なのかと思いきや、ギターリフはBa.が引継ぎ、
Gt.はアルペジオ等で浮遊感や叙情性有るアトモスフェリックさを放つ。
サビはポップで穏やかながら、何処か焦がれる様なエモさが有るか。
曲終盤はアップテンポでテンションの高いバンドサウンドが展開され、幕となる。
2曲目は若い情熱というかエネルギッシュというか、そういうモノが
爽快かつドライヴィンな疾走感の中に感じられる青春系アップテンポ曲。
3曲目はアルペジオ等でメロディアスさを放つGt.が
曇り空の様な薄暗さや静寂を演出するリズム隊と絡んで
憂いを帯びた物思いに沈む様(さま)を想起させるミドルテンポ曲。
Vo.の中性的な声質が曲調に良くマッチしているな。
曲終盤では若干ノイジーな盛り上がりを展開する。
4曲目は大空の様なスケールというか広がりを感じさせるミドルテンポ曲。
歌メロはポップだが、曲名の様な卓球のイメージは全く浮かんで来ない。
ラストの5曲目はバンドサウンドが骨太と浮遊感に分かれて交互に展開し、
時に同時にノイジーに迫るミドルテンポ曲。雰囲気的には
叙情性やサイケっぽさが感じられるな。
通して聴いた率直な感想としては、聴き足りなさを強く感じるという事。
今作の時点では、彼等の引き出しはまだ一部分だけしか開放されておらず、
今作収録の5曲だけではこのバンドの本質を感じ取る事は出来無い。
そう思ったのだ。だからフルアルバムで聴いてみたい。
そういう中途半端な感じだったので、点数としてもこんな感じさね。
2,3がオススメだ。