ソムン・タク
(大韓民国)
「東京にて」(03年作)
1.路上 2.東京にて 3.あの頃の 4.遥かなる想い 5.想い出のPHOTOGRAPH
6.出発点 7.軍服 8.ママ 9.路上
10.東京にて(韓国語Ver./ボーナストラック) 11.ママ(韓国語Ver./ボーナストラック)
韓国出身の女性歌手の日本における1stアルバム。
09年11月7日のDiaryで記した、49枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、大学に在学中の95年に歌手デビュー。
数少ない女性ロックシンガーとして人気を集めるも、02年に芸能界から
突然足跡を消し、単身で日本へ留学する。
所属社や広報無しに、実力で勝負する事を望んだ彼女は
日本語と音楽業界を知らなければ日本進出は難しいと考え、
日本語の正確な発音も学ばなければならないと思い、
2年間の留学生活の間、ラーメン店でバイト等をしながら
日本語を学び、日本の音楽を習得してきたという。
そんな彼女の臥薪嘗胆の努力が実り、日本の所属プロ関係者に抜擢されて
音源のリリースへと至った。今作は現在(10年9月)までに
彼女が日本でリリースした2枚のアルバムの内の1枚である。
楽曲の音楽性は歌謡ROCK/POPSで、一部の曲では彼女が作詞、作曲を
手掛けている。彼女は中性的でハスキーな声質だ。
ちょいと寂しげな感じのアカペラの1曲目。
そのまま続く2曲目は7〜80年代の歌謡曲っぽさを感じさせる走曲で、
やるせない哀愁が歌メロから強く感じられる。
Dr.が単調で面白味が無いのがマイナス点だ。
3曲目はKey.が麗らかに穏やかな雰囲気を醸し出すが、歌メロは
哀愁を帯びており、その絡みが憂鬱さを生み出す
日常的メロディーのミドルテンポ曲。
4曲目はスロー曲。バックでキラキラと煌めく風鈴っぽいSEが
妖しくも何処か涼やかな和の雰囲気を感じさせる。
割と短い曲でサビも無く、ちと勿体無い気もするな。
5曲目は穏やかで暖かみの有るメロディーのミドルテンポ曲。
ポップな明るさに溢れた聴き所のサビは大陸的な広がりを感じさせ、
どこまでも晴れやかで優しいモノだな。
6曲目は扇情的な感じのリフと共に進行するグルーヴィーな曲だ。
この曲が今作では一番ロック寄りかな。
7曲目は憂鬱で気乗りしない様な雰囲気のスロー曲で、
バックでは打ち込み(多分)の坦々としたリズムが展開。
哀愁を放つ歌メロはモロに歌謡曲だな。
8曲目はちょいとグルーヴィーさと叙情性の有る走曲で、
メロディーの憂いと憂鬱を少々大仰に感じさせる。
ただ、何でここにこの曲を持って来たのかが分からない。
曲順としては、前半〜中盤辺りに配置される曲調なんだけどなあ・・・。
イントロ的な役割のためか、1曲目が再びの9曲目。
ボーナストラックの10、11曲目は2、8曲目の韓国語Ver.。
やはり元々使っていた言葉の方が有利な様で、エモーションは
こちらの方が若干上に感じられる。
楽曲は多様性が有ってダレる事は無かったけど、ちょっと散漫に
感じられるかも。出来としても今一つ物足りなさを感じたしなあ。
HR/HM畑の方々が参加した2ndと比べると、明らかに劣るな。
2ndの出来が割と良かったので今作の購入に至ったのだが、
ちょっと残念な結果になってしまったな。
評価 74点
4,5,7,8がオススメだ。