TEN
(イギリス)
「The ROBE」(97年作)
1.The Robe(Album Version) 2.Bright On The Blade 3.Virtual Reality
4.Standing On The Edge Of Time 5.You're In My Heart 6.Fly Like An Eagle
7.Arcadia 8.Ten Fathoms Deep 9.Battlelines 10.Someday
英国産メロディアスハードロックバンドの3rd。
某複合量販店にて、中古で380円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、結成は95年。ソロアーティストとして活動していた
ゲイリー・ヒューズ(Vo.)と、「DARE」のギタリストだったヴィニー・バーンズ(Gt.)が
中心となってバンドは結成された。
メロディックロック好きの琴線に触れた楽曲が話題となった1st、2ndが
連続してヒットし、来日公演も成し遂げたバンドが放つ3rdである。
哀愁のメロディー、憂いの有るソフトでソウルフルなVo.、
エッジが効きながら泣きを操るGt.が彼等の大きな武器だという
楽曲の音楽性は、哀愁を帯びた叙情的なメロディーを荘厳かつ
壮大にドラマティックなアレンジで仕上げたメロディアスハードである。
初っ端の1曲目から約9分もあるミドルテンポ走曲。
語りのアトモスフェリックパートに始まり、バンドサウンドが登場して
力強い進行を展開。Syn.が壮大さと劇的さを演出し、Gt.も泣きを放ったり
ドラマティックな哀愁のソロを弾き回したりと良い仕事しとる。
中盤でクワイアが顔を出し、Syn.とは別の壮大さと劇的さを醸し出す。
ラストは冷めた感じのピアノで締めくくるぞ。
2曲目はピアノで始まり、ちょいと前面に出たエッジの効いたギターリフと
Vo.の絡みへと続く。これだけでもちょいとドラマティックだな。
バンドサウンドが登場し、荘厳さを感じさせる進行を展開する。間奏等で
ドラマティックなソロなどを弾き回すGt.はちょいと引っ込み気味ながら
良い仕事しとるぞ。
3曲目は実に日本人好みな歌謡曲寄りの哀愁バラード。
イントロからもう哀愁が溢れてるしメロディーは心に沁みるしでたまらん!!
もう琴線触れまくり。盛り上がるサビの泣きっぷりが聴き所です。
何処かで聴いた事の有る様なイントロの4曲目は
J-POPに通じるキャッチーさを持った爽やかライトナンバーだ。
5曲目はいかにもというかお決まりって感じのビューティフルバラード。
「一般受けを狙っちまったか?」と邪推してしまうかも。
「松田聖子」の"あなたに逢いたくて"に似ているらしいが
原曲知らないんでよく分からんわ。
6曲目はドラマティックな物悲しいメロディーを奏でるピアノのイントロから
エッジの効いたギターリフが前面に出たバンドサウンドが登場。
1曲目の様に壮大さと劇的さを感じさせる力強い進行の中に
力強い意志の様なモノを含んでいるな。
様式美と中東風が融合した様な、壮大なスケールを感じさせる
緊張感有るイントロがまず良い7曲目。Vo.と攻撃的なギターリフの絡みが
これまた緊張感を感じさせ、この後も終始、緊張感が付きまとう。
リズム隊と他が登場し、中東風の雰囲気を感じさせるドラマティックな
進行を展開。開放感有るサビはテンポダウンして壮大に神々しさを感じさせる。
歌謡曲寄りのドラマティックなイントロの8曲目は
Syn.が緊迫した劇的さを演出するミドルテンポ曲。
Gt.の哀愁のソロとかはもう少し目立たせても良いと思うけどなあ・・・。
9曲目は今作中一番テンポの速い、といってもアップテンポ程度だが、な曲。
ラストの10曲目は歌謡曲寄りのバラード。J-POPに通じる憂いを帯びた
切ない雰囲気でしばし進行し、バンドサウンドが登場。
荘厳さを感じさせるコーラスは無くても良いと思うなあ。
この手の曲で間奏のギターソロが良いのは英国も日本も同じやね。
5分以上の曲がほとんどでほぼミドル/スロー曲だけど、
曲の長さは特に気にならなかったし、ダレも無く最後まで楽しめた。
まあ、欲を言えばせめて2曲くらい疾走曲を入れて欲しかったな、と思う。
サウンドプロダクションや音質が今一つなのが残念だけど、
メロディー派リスナーならば一聴の価値有りの作品である。
評価 81点
3,4,7,10がオススメだ。