The Jerry
(日本)
「Peel The Peal」(04年作)
1.螺旋 2.ragtime 3.骨の尖 4.霧のメロディー 5.冬のサイレン 6.25時
7.downer rain 8.カゲロウ 9.prism walk
北海道出身の3人組ロックバンドの1st。
某複合量販店にて、新古品で500円で販売されていたので購入してみた。
上記のジャケでは音楽性が予想出来無かったのだが、
商品の帯を見ると、
「ロックから選ばれし者だけが放つ、崖っぷちの切迫感。
静寂と破壊力を併せ持つ3ピース、
圧倒的緊張と解放を追及したファーストアルバム」
などと大仰な煽り文句が記されている今作。
果たして、馬徳のロックハートを掴む事が出来るのか?
薄暗い雰囲気の静寂の中、Gt.の音色が寂しげに流れる始まりの1曲目。
Vo.が静かに、何処か儚げに歌い上げる中、Gt.が衝動を揺さぶる様な
音色を唐突に掻き鳴らす。このままバンドサウンドが加わっていくのかと思いきや、
また元の雰囲気に戻ってしまう。先程と同じ様に進行するが、途中で
バンドサウンドが加わる。その曲調は次第に吹雪を想起する様なモノになっていき、
最後に雪崩の様に弾き回して終える。
2曲目。甲高く吐き出す様な歌唱とバンドサウンドで衝動的な疾走を開始する。
叙情性を含んだ荒々しいサウンドの中には、冷たさが潜んでいる。
3曲目。ヴォンヴォン唸るBa.がゆらゆらとしたグルーヴを
生み出しながら進行する。途中、テンポダウンして静寂パートに展開するも、
感情を爆発させた様に緊張感有るサビが幕を開ける。
5曲目。仄かな暖かさを纏った優しい音色のGt.が前面に出たスロー曲。
6曲目。Gt.のアルペジオの音色とBa.の低音が夜明け頃の様な雰囲気を
演出するスロー曲。Dr.は殆ど目立たない上、部分的に必要無いと
思える箇所が有り、蚊帳の外みたいな感じになってる気がするな。
7曲目。Gt.とBa.が不穏さを演出しつつ進行し、徐々にテンポを上げ、
解放的なサビでメロディックな疾走を聴かせる。
楽曲はハッキリ言って玄人向けのモノであり、個性も十分なのだが、
普段、J-POPばかり聴いてる者が今作を聴いたとしたら、
一度で理解する事はまず不可能だろうな。
馬徳自身、何度も聴き込む破目になったし・・・。
J-POPみたいな分かり易い楽曲と違って、プログレみたいに感じる曲が
幾つか有り、メロディーも弱めなので難解に感じてしまう。
2、7曲目みたいなのが大半を占めてれば、楽しんで聴けたんだけどな。
商品の帯の煽り文句の静寂だの緊張だの切迫感だの、それが充実してても
偏ってはいけないよ。やっぱ、メロディーって大事だよね。
評価 62点
2,7がオススメだ。