WITH SEXY
(日本)
「Couleurs」(97年作)
1.SLEEPLESS(Moonlight) 2.RAIN COLORS 3.Distance 4.Nostalgy
5.Merry-Go-Round 6.微笑の約束〜Someday Somewhere〜 7.WITH YOU
8.ETERNAL DANCE 9.December White Breath 10.CALL 11.BRAND NEW KISS
愛知県出身の5人組ヴィジュアル系ロックバンドの1st。
BOOK-OFF某店にて、中古で250円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、89〜98年までの約10年間という
結構長い活動歴を持つバンドで、シングルは何枚か出している様だが、
アルバムは今作のみだ。
今作で聴けるのはアグレッションが希薄でメロディアス度が濃い
90年代後期型のヴィジュアル系ロックなのだが、サウンドプロダクションが
90年代初期寄りなので、その辺は個人的に好印象だった。
Gt.の哀愁のソロと共に走り出す1曲目は若干ドラマティックな憂いを
帯びたメロディーで進行。バックではヴィジュアル系によく有る
繊細かつ叙情的な音色でGt.が奏でられる。
間奏の泣きを放つエモーショナルなギターソロが良いのだが、
引っ込み気味なのが勿体無いな。
2曲目は爽やかだけど温かさの感じられる叙情的なメロディーの
曲なのだが、籠った音質のGt.が終始弾き回される事によって
明るくなりきらない雰囲気を醸し出している。
雨上がり後の湿気混じりの雰囲気と照らし出す様な明るさの
感じられるメロディアスな3曲目。
焦がれる様な哀愁と憂いが同居する叙情チューンの4曲目。
Gt.がエモく、叙情的に聴かせる良い仕事をしているのだが、
到ったサビの出来が少々物足りないのが残念だ。
それまでが良い感じで進行してきただけにね。
穏やかかつ爽やかで、若干ドライヴ感とドラマティックさの有る
5曲目。到ったサビはポジティヴ感溢れるライトなモノだ。
何となく深みの感じられる叙情的にメロディアスな疾走曲の6曲目。
7〜9曲目はシリアスな雰囲気の走曲。
7曲目は憂いを帯びたメロディーで、8曲目は迷いを抱えつつも
前に進もうとしている様なやるせなさを感じる。
9曲目は都会感の有る切なく、寂しげなメロディーだ。
サビは「DER ZIBET」を彷彿とさせる叙情メロだな。
10曲目は間奏等で聴ける演歌の様な哀愁のギターソロが印象的な
ちょいと歌謡曲寄りのミドルテンポ曲。ヴィジュアル系では珍しい方の曲だな。
個人的にはこういうのも良いと思う。
ラストの11曲目は普通にメロディアスな走曲で締めだ。
楽曲には飾り気が無いものの、曲自体の出来が良く、
多様性が有り、ダレを感じる事も無かった。今作当時のヴィジュアル系の
インディーズ作品としては出来の良いモノだ。
90年代後期のヴィジュアル系ロックが好きなリスナーは
一聴の価値有りであろう。
評価 76点
2,4,9,10がオススメだ。