山本美絵
(日本)
「オナモミ」(01年作)
1.「○○ゴッコ。」 2.猫 3.Interlude〜頭の旅〜(インスト) 4.トモダチ(Album Version)
5.外は雨だよ 6.カーネル 7.エサをあたえないでください 8.ある晴れた日に
9.7:15 10.アリの休日 11.17
東京都出身のシンガーソングライターの1st。
09年7月18日のDiaryで記した、約30枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、00年にデビューしたシンガーソングライターで、
シングル4枚、アルバム2枚(フルとミニ)をリリースするも
商業的音楽から離れたくなったとの事で、活動休止してしまった。
※現在(10年7月)でも活動を再開していないので引退したのだと思われる。
商品の帯を見ると「究極のトラウマ系歌姫」などと
大仰なキャッチフレーズが用いられており、それで興味を持って
購入に至ったのだが、その楽曲の音楽性はというと、
テクノポップ系のサウンドを加えたロック/フォークを基本として、
歌謡曲、アンビエント、ソウル等、多彩なアプローチを見せる。
また、彼女の歌詞は絶望、または情念系と言われており、
自虐的、厭世観に満ちた詩の世界観が注目されている。
電子音が閉塞感を演出する1曲目は憂いを帯びたメロディーの曲で、
部分的に加わる打ち込み(多分)の琴の音色が
素っ気無い感じで、孤独感を助長する。ただ、琴の音色が感じさせる
和の雰囲気はVo.の泣きを感じさせる歌唱と絡むと
昼間の連ドラみたいな愛憎劇が思い浮かぶな。
2曲目は都会感の有る物憂げなメロディーで、
電子音やピアノが湿気混じりの雰囲気を醸し出す。
次曲への繋ぎの短いインスト(?)の3曲目。
電子音リズムがダンサブルに展開する4曲目。
Vo.は呟く様に、または屈折した様な歌い回しを聴かせる。
5曲目はアコギ(多分)による静寂のスロー曲。
Vo.は物語る様に歌い上げ、終盤に加わるコーラスが
叙情的なハーモニーを聴かせ、良い感じだ。
6曲目は電子音リズムが治安の悪そうな都会感を演出する。
7曲目は重い雰囲気を演出するピアノリフが聴け、進行。
途中からツインピアノとなってドラマティックに展開する。
電子音リズムはダンサブルだが、歌メロは怠惰な感じの8曲目。
歌メロ、曲調、共にコミカルな9曲目。
テクノポップ寄りでコミカルだが淡々と進行する10曲目。
ラストの11曲目はAOR寄りの叙情スロー曲。
黄昏た雰囲気の物憂げなメロディーの中、穏やかさを助長する
聴き心地の良い音色のアコギが部分的に奏でられる。
間奏で弾かれるギターソロが今一つ目立ってないのが勿体無いな。
特にダレを感じる事無く最後まで通して聴けるけど、後半が弱い。
正直な所、HR/HMの方にもっとヘヴィでダークなモノが有るから
大して暗さを感じなかった。普段、J-POPばかり聴いてる一般リスナーなら
ともかく、個人的にはこの程度じゃ物足りないわさ。
そもそもテクノポップ系のサウンドを用いているのが間違いだ。
バンドサウンドで暗さを表現した方がずっと良かったろうになあ・・・。
評価 73点
1,2,5,11がオススメだ。