ZI:KILL
(日本)
「ROCKET」(93年作)
1.あえげ!メス豚 2.FLY 3.For me 4.I LOVE CAT 5.CALLING 6.ナニモイラナイ
7.Bad Man 8.PEOPLE PURPLE 9.I LOVE YOU 10.ROCKET
ヴィジュアル系ロックバンドの3rd。
かつて「X JAPAN」のYOSHIKIが経営する「EXTASY RECORDS」から
アルバムをリリースし、オリコンのメジャーチャートにチャートインするなど(当時の
音楽業界では異例の快挙だった)、インディーズシーンのトップクラスに昇り詰めた
90年代初期を代表するヴィジュアル系ロックバンドであり、後続のバンドに
多くの影響を与えている。なかなかDr.が固定しなかった事でも知られ、過去に在籍した
Dr.には「L'Arc〜en〜Ciel」のyukihiroや、「D'ERLANGER」の菊地 哲も居た。
今作は彼等のオリジナルアルバムとしては最後のアルバムである。
馬徳自身は元々ZI:KILLに対して全然興味を持っていなかったのだが、
Vo.のTUSKが後に「CRAZE」に加入した事から興味を持った。で、今作以外の
アルバムも購入してみたのだが、2、3曲良いと思えるのが有った程度で、
全てBOOK-OFF行きになった。そんな訳で今作も大して期待はせずに
購入したのだが、はたして馬徳を満足させられるのか?
1曲目は「あえげ!メス豚」。「DETROIT METAL CITY」の
クラウザーさんを想起させる曲名だが、曲自体はそんなに官能的という感じは
しないミドルテンポ曲だ。まあ、それらしい雰囲気は弱くも存在するが。
2曲目は聴き心地の良いBa.のイントロから始まるアップテンポ曲。
Aメロに入るまでは、メロディーが感情を加速させる様で良い感じなのだが、
Aメロ、Bメロでは雰囲気が変わってしまうのが残念。
まあ、サビでは雰囲気が戻ってくるのだが。
3曲目はノイジーなGt.で始まる疾走曲。最初は大して良いと思えなかったが、
聴き込んでみると割とキャッチーなメロディーの曲だった。
4曲目は夜を想起させる暗い感じのBa.とGt.から始まるアップテンポ曲。
歌メロでも暗い感じは有るのだが、サビではKey.(多分)が神々しさを演出する。
5曲目の「CALLING」はZI:KILLの曲の中で一番キャッチーでキラーな疾走曲。
目覚ましのベルの様に掻き鳴らされるGt.から、浮遊感の有るAメロへ入る。
サビ手前では力強い展開になり、サビではシンガロングする。
歌い回しもカッコ良く、間奏のギターソロもエモーショナルだ。確かこの曲、
格ゲーの「餓狼伝説」がアニメになった際にテーマソングとして使われたと思ったが。
6曲目はドラマのバックで流れる酒場の様な雰囲気のジャズ調の曲。
7曲目はアップテンポ曲。早口歌唱でまくし立てる。
コミカルな感じやノリの良さが有る曲だ。
8曲目は喚き型と唸り型Vo.を使い分ける変化球的疾走曲。
9曲目はシンプルな恋愛の歌。聴かせる系の曲調から、時にムーディーだったり、
ジャジーな雰囲気を漂わせ、艶っぽい歌い回しが有ったりもする。
ストリングスが良い仕事してるぞ。
10曲目はアコギから始まり、その音色に乗せて歌い出す曲。途中から加わる
オーケストレーションが混沌とした雰囲気を放ち、
そしてバンドサウンドが加わると壮大さが加味される。
CRAZEの時と違って、この頃のTUSKは色々な歌い回しが出来、
魅力有る歌唱を聴かせてくれる。前のアルバムと違って、今作は大分聴き易く
なってはいるのだが、やはりイマイチ物足りなかった。
どうにもZI:KILLは馬徳に合わない様だ。
評価 66点
3,5,10がオススメだ。