feathers-blue
(日本)
「風の破片」(04年作)
1.風の予感〜prologue to ENERGY〜 2.ENERGY 3.RESOUNDING SADNESS
4.ICE DOLL 5.BE FREE〜acoustic version〜 6.眠らない街のNEVER LAND 7.far away
5人組ヴィジュアル系ロックバンドのミニアルバム。
BOOK-OFF某店にて、中古で280円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、すでに解散していた。関東を拠点とし、02年〜06年まで
活動していた様だ。3代目のBa.は後に「UnsraW」に加入している。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「安定性の有るリズムにパズルの様に複雑緻密に組み込まれた
ギターとキーボードのメロディ。そこに伸びの有るヴォーカルが乗る事で
完成するfeathers-blueのサウンド。メロディ構成は絶品!」
と紹介されていた。
個人的には、90年代後期のヴィジュアル系や「SIAM SHADE」辺りを
好むリスナーのストライクゾーンだろうと捉えている。
ヴィジュアル系特有の耽美さは薄い。
車に乗り込み、エンジンが掛かるSEで始まる1曲目は黄昏れの雰囲気を
醸し出すアコギのリフに清涼感の有るピアノが絡むイントロ。
やがて車が走り出すSEに続いてバンドサウンドが登場。
ミドルテンポでポジティヴかつライトに進行し、Key.が爽やかさを演出する。
疾走感には乏しいがドライブしながら聴くのに適した曲だな。
※後で気付いた事だが、1、2曲目はトラック1で一まとめにされており、
分けられていない。イントロ部分が本来の1曲目なのだろう。
2曲目(実際は3曲目)はミドル〜走曲。バンドサウンドとKey.による危機感を感じさせる
始まりから、ダークに、シリアスにと、交互に展開して進行。
サビ前から明るくなりだし、明るさの中に哀愁を含んだサビへと至る。
しかし、この曲のKey.パートってやけにゲームミュージックっぽいな。
不穏な雰囲気を演出する2つのKey.(もしくはKey.とSyn.)に
テケテケと弾き回されるGt.が絡む、ちょいと長めのイントロの3曲目(実際は4曲目)は
ミドルテンポ曲。時に憂いを、時に切なさを放ち、ドラマティックに進行。
サビ前では大仰さも見せ、至ったサビはクサい哀愁メロだ。
間奏のギターソロは曲の雰囲気を重視した弾き回しかな。
後奏を盛り上げるKey.の動的な弾き回しも良い感じだ。
4曲目(実際は5曲目)はミドル〜スロー曲。過去曲のアコースティックver.だが、
原曲を知らないので比較の仕様が無い。
曲自体は、黄昏た雰囲気の中で過去の後悔を追憶する様な情景が
思い浮かぶアコギのリフに始まり、少ししてKey.が加わり、歌メロへと続く。
途中からもう1つのKey.が不安を煽る様なドラマティックさを演出し、
曇天の空から僅かな光が射し込む様なライトさのサビへと至る。
間奏ではアコギとKey.が陽気かつ踊る様に動的な弾き回しを展開し、
一時的ながら雰囲気を変える。
蠢く様なBa.で始まる5曲目(実際は6曲目)は退廃感の有るダーク寄りの
ミドル〜走曲。加工されたVo.がその退廃感に一役買っているか。
途中で勇ましいコーラスが顔を出し、至ったサビは疾走感有るライトなメロだ。
この曲のKey.パートもまたゲームミュージックっぽいな
6曲目(実際はラストの7曲目)は、2つのKey.が穏やかな日常の光景を
演出する始まりから、一瞬、これまでとはガラリと違った曲調になるのか、と思うも、
すぐに疾走開始。疾走感は有るが何処か落ち着いた感じの曲だ。
通して聴くまでもなく思った。インディーズの音だな、と。
メジャー作品と比べて、楽曲、サウンドプロダクション、共に洗練具合は
まだまだだな、というのが率直な評価。
Vo.の歌い回しに自信無さげというか拙さというかを感じさせる所も有り、
それがまたマイナス点になってしまっている。
加えて、Vo.の声質を考えると、ダークな曲よりも1、3曲目の様な
メロディアス路線の方が合っていると思う。
評価 75点
1、3がオススメだ。