fra-foa

(日本)

「宙の淵」(01年作)

1.真昼の秘密  2.プラスチックルームと雨の庭  3.夜とあさのすきまに  4.ひぐらし

5.澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。  6.君は笑う、そして静かに眠る。

7.青白い月  8.月と砂漠  9.宙の淵

男女4人組ロックバンドの1st。

TSUTAYA某店にて、中古CDの半額セールが行なわれた際に購入した。

ネットで調べた所、東北大学出身の男女4人によって98年に結成された

バンドであり、00年にメジャーデビュー。精力的な活動を続けるも、

03年に紅一点のVo.三上ちさこの結婚出産をきっかけに活動休止

それ以後は単発的にライヴを行なっていた様だが、05年に解散している。

楽曲の音楽性はへヴィサウンドに繊細なメロディーを乗せた

エモーショナルかつ叙情的オルタナティヴロックである。

個人的には紅一点のVo.三上ちさこに関して取り上げておきたい。

彼女の歌唱を聴いていると、「HEAD PHONES PRESIDENT」のANZAが

思い浮かんだ。HEAD(略)の楽曲「Chain」でANZAが聴かせた

絶唱を彷彿とさせる様な凄味を感じたのだ。

男も女も関係無く、久々に良いヴォーカリストに出会えたと思えた。

1曲目は黄昏の中をゆるやかに漂う様な始まりから、いかにもグランジ

轟音サウンドをドラマティックに炸裂させる。歌メロに到ると

浮遊感の有る暗闇の様な静のパートへと展開。蛍の灯りを思わせる

Gt.仄かな音色がゆらめく。やがて落下する様なドラミングが訪れ、

再び轟音を炸裂させる退廃的動のパートであるサビへと到る。

Vo.情感込めた歌い回しには狂おしい程の悲しみ泣きが感じられ、

そのエモーショナルさ強烈の一言である。

2曲目はメロディック叙情性溢れるミドルテンポ曲。

イントロからGt.叙情的なサウンドを聴かせ、良曲の予感を感じさせる。

静か穏やか黄昏の世界から、歌メロは静のパートへ展開。

1曲目同様の曲展開だが、こちらは薄暗く寂しげな雰囲気が有り、

Ba.目立っているな。サビ手前からはメロウ哀愁を感じさせ、

轟音サウンドが顔を出してサビへと到る。

本当は助けて欲しいのに、意地を張ってしまい素直になれない。

力強い様に感じられるサビには、そんな寂しげな感じが滲み出ている。

3曲目も似た様な曲展開。3曲連発同じ様なのは無いんでないか?

人によっては確実にダレると思うぞ。実際、馬徳はダレたし。

4曲目は童謡っぽい感じの穏やかノスタルジックなメロディーの曲。

これを3曲目にすれば良かったのに。

5曲目は途中までミドルテンポで進行。轟音サウンドに昂揚感を煽られ、

Vo.の歌唱は悩み、苦しみを乗り越え、やがて決意へと変わっていく

様な感じだ。その先は爽やかな疾走パートへと展開するぞ。

再びグランジな曲の6曲目。あまり惹き付けられるモノ無いな。

7曲目もグランジな曲で、曲展開は1曲目と同様。

もっと頭使って別の曲展開考えろよ!!と言いたくなるな。

だが、穏やかな展開から一転、音と感情を炸裂させるサビの威力は

なかなかのモノが有るので良しとしておこう。

8曲目もグランジな曲。6曲目と同様の評価。

ラストの9曲目は穏やか静か力を抜いて聴けるスローテンポの曲。

盛り上がる部分は少しだけ有る。曲が終わって何十秒後かに

隠しトラックみたいなノイジーな轟音パートが有る。

1、2曲目を聴いてる時には「これはスゲエぞ!!」と思ったのだが、

その後はイマイチな曲ばかり。曲展開が同じなの多くて

多様性大きく欠ける。これじゃ楽しめるはずが無い

三上ちさこのVo.生かしきれてないのが非常に残念だ。勿体無い。

評価 61点

1,2がオススメだ

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