ヒューマンロスト
(日本)
「タカラカニ」(04年作)
1.タカラカニ 2.impulse 〜叫ぶ心〜 3.チューリップ 4.go my way 5.you can.
6.ギュッとね! 7.7(nana)
男女3人組ロックバンドの2nd。
BOOK-OFF某店にて、中古で280円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、結成は98年。
この「ヒューマンロスト(人間失格)」というバンド名の由来は、
彼等がリスペクトする太宰治の作品名である。
"芸術は、誰にでも分かるものでなくてはならない"
というのがバンドのポリシーだそうだ。
活動拠点は横浜。その横浜と渋谷を中心にライヴ活動を展開する。
02年にメジャーデビューを果たして以降、数枚の音源をリリースし、ライヴ活動を
続けるも、13年にBa.のmakoが病気により永眠。
残されたメンバーはバンドの活動継続を選択し、現在(17年4月)へと
至る訳だが、活動の規模は大分縮小されている。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「彼等のサウンドの最大の特徴は、伸びやかに唄うosamu(男性Vo.)と、
スイートな魅力を持つmako(女性Vo.)の声の、
絶妙なバランスのツインVo.スタイルに有る」
「独特な世界観、覚え易いポップなメロディーラインと、
本格的アメリカンロックサウンド。歌詞は分かり易い言葉でいて、
老若男女を問わず訴えかける説得力を持っている」
と紹介されていた。
個人的には、メロディックパンク、パワーポップ、アメリカンロック等の
要素が混在するロックと解釈している。
ハーモニカがノスタルジックなメロディーを奏でる始まりの1曲目は
青春パンク風のミドルテンポ曲。泥臭い歌メロを粗野な歌い回しの男Vo.が
強調している。至ったサビはコーラスが加わり、熱気有る盛り上がりを見せるぞ。
2曲目は憂鬱げなメロディーのミドルテンポ曲。女性Vo.の多様な歌い回しは
捻(ひね)りの利いたポップさを与える面白味が有るな。
3曲目はミドルテンポ曲。ポジティヴ寄りの情熱感有るメロディーを
男Vo.が歌い上げるのだが、2曲目と似た様な感じの曲だな。
4曲目はアップテンポ曲。歌唱は男女Vo.。
随所にフックが有るバンドサウンドが好印象だ。
キャッチーなノリを放ち、明るく楽しい雰囲気で進行するぞ。
5曲目はポジティヴ寄りの情熱感有るメロディーのミドルテンポ曲。
バンドサウンドの進行は力強く、時折顔を出すホーンセクションが
ドラマティックさの助長と盛り上げに一役買っている。
6曲目はポップなミドルテンポ〜走曲。南国風っぽい雰囲気で進行し、
途中でちょいとシリアスな方向へ展開。至ったサビは縦ノリの、
明るく楽しい雰囲気で盛り上がる。
間奏では軽快かつコミカルなノリのバンドサウンドが聴けるぞ。
ラストの7曲目はミドル〜アップテンポ曲。ポップかつパンキッシュに。
そしてライトなノリと雰囲気で進行する。
散漫とまではいかないが、まとまりに欠ける。
というのが今作を聴いた率直な感想だ。
1曲1曲は悪くない。でも、もう少し方向性を絞った方が良いと思う。
更に構成として、曲順がイマイチなのがマイナス点。
バンドサウンドにしてもメロディーにしても、なかなか良いモノを持っていると
思うので、次作において欠点が克服されている事を期待したい。
評価 75点
4、5がオススメだ。