リディアン・クロマティック・コンセプトのインストラクターでもある
藤原大輔が率いるストリートセッションバンドとの事。phat
(日本)
「tayutaf」(03年作)
1.タユタフ 2.キューポラ 3.水平対向 4.女子高生 5.捨てられた衛星(ほし)
6.赤い月 7.日向ぼこり 8.演説 9.異常繁殖因子
10.Gの過程(album version) 11.デイト(album version) 12.原始林
3人組エレクトロファンクジャズバンドの2nd。
BOOK-OFF某店にて、中古で250円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、テナーサックス奏者であり、ジャズ理論の
リディアン・クロマティック・コンセプトのインストラクターでもある
藤原大輔が率いるストリートセッションバンドとの事。97年に結成され、02年にメジャーデビュー。03年に解散へと至っている。
サックス、ウッドベース、ドラムという、ジャズトリオの様な編成で、
ネットでは楽曲の音楽性に関して、
「ジャズの範疇で語られるモノではあるが、そのリズムやクールな肌触りは
クラブミュージックやテクノ、ファンク、ヒップホップなどに近いモノだ。
ミニマルでアンビエントなグルーヴを多用しているので
オーソドックスなジャズの肌触りとは随分違うモノになっている。それでいて
普通のクラブミュージックとは一線を画するインプロヴィゼーション演奏が有り、
リズムも生楽器ならではのグルーヴ感を生み出している」
などと案内されていた。
「MEDESKI MARTIN & WOOD」などに代表されるジャム・バンド系が
好きなリスナーにオススメだそうだ。
電子音が浮遊感と幻惑感有るドリーミーな雰囲気を醸し出し、
サックスがアダルティック、アンビエントな感じを加味する1曲目。
2曲目は終始、反復するコミカルな電子音に始まり、
サックスとリズム隊が怪しくていかがわしい夜の雰囲気を醸し出す。
4曲目はドリーミーな雰囲気を醸し出す電子音に何処か可愛らしさが
感じられる。これは曲名の女子高生らしさを出そうとしているのか?
憂鬱な哀愁を帯びたサックスは時おりちょいとオシャレな所も見せるな。
5曲目は電子音がネガティヴに暗い、ジメジメした雰囲気を演出し、
サックスとリズム隊は坦々とした進行を展開する。
6曲目はギターっぽく加工されたサックスと緊張感を助長するDr.、
反復する鼓動の様なBa.が絡んでサントラ寄りのドラマティックな
曲調となる。7曲目は電子音が静けさを演出すると同時に憂鬱な雰囲気を
醸し出し、サックスは雰囲気を強調する役割を果たしている。
8曲目はピアノリフがふてくされた様な雰囲気を醸し出し、
サックスとリズム隊は緊張感を加味している。
9曲目はリズム隊が緊迫感有る危険な雰囲気を演出する
グルーヴィーなプレイを放ち、サックスは雰囲気を強調すると同時に
焦燥感を加味しているな。
10曲目はゴルゴ13をテーマにした曲との事だが、曲調に特段大きな変化が
有るモノではないな。都会感有るサントラ寄りの曲だ。
生演奏と電子音が交わった独特の感触を持つサウンドから感じられる
浮遊感と緊張感、ムード、グルーヴは、
個人的には推奨年齢がちょいと高めの
青年/大人向けアニメのサントラに使えそうだな、と感じた。
だが、1曲1曲は悪くないけど通して聴くと盛り上がりに欠けるし、
楽曲もあまり多様性豊かとは言えないので途中でダレてしまった。
普通のジャズを好んで聴いてきたリスナーには新境地と言えるかも
しれないけど、以前見たアニメで似た感じの曲調のサントラを
聴いた事の有る馬徳にとっては特に珍しくもなかったなあ・・・。
評価 65点
オススメは無し。