優雅

(日本)

「BLACK JACK ト死神show」(05年作)

1.After all  2.肉便器  3.D・C・L  4.-光-  5.R-R&R  6.W to  7.Marriage(インスト)

「DEViL KiTTY」のヴォーカリストのソロ・ミニアルバム。

10年4月22日のDiaryで記した、5枚購入した内の1枚である。

ネットで調べた所、「DEViL KiTTY」というヴィジュアル系バンドで

Vo.を務めた人物で、04年のバンド解散後はソロ活動へと転じた。

2ちゃんねる用語を多数取り入れた過激な歌詞やライブパフォーマンスなどで

一部には熱狂的に支持されたが、その一方、度重なる音源の発売延期等、

トラブルの絶えない人物として

インディーズヴィジュアル系界隈での悪評判も高かったという。

現在(10年8月)では引退している。

楽曲の音楽性は、デジタルの要素を取り入れたヴィジュアル系ロックで、

デジタルサウンドがヘヴィさを出しているのだが、バンドサウンドに

ハードさ無く、あまり目立たない。

Vo.はヴィジュアル系としては特に珍しくもない声質だな。

1曲目は奏でられるピアノ苦悩を感じさせると同時に雰囲気を演出。

そこに電子音リズムが絡むのだが、要らないと思うな、コレ。

Vo.奥に引っ込んで聴き辛いし、途中から加わるGt.も同様。

ピアノのみインスト曲に仕上げた方がずっと良いモノになっていただろう。

ホント、勿体無いわ。

フランス書院の小説辺りによく出てきそうな言葉

曲名の2曲目。もう戻れない程に堕ちてしまった女性を歌った

歌詞なのに、メロディアスな曲調のためか、それを感じさせない

3曲目はブルータルな雰囲気を感じさせる攻撃的な走曲。

サグな語りがポンポン登場するぞ。

4曲目はポップメロディアス走曲。

5曲目は攻撃的だが、グルーヴィーでもある走曲。自分の事を

歌っているのかは分からないけど、ネガティヴだったり欲望丸出し

この歌詞はとても好きになれんなあ。・・・曲自体は悪くないけどさ。

ピアノ叙情的ドラマティックなメロディーを奏で、

シンセストリングス(多分)が叙情性を助長する6曲目の始まりは

実に良い。曲本編の方は若干ドラマティックさを残してはいるけど、

イントロで期待を抱くと肩透かしを喰らうだろうな・・・。

途中でピアノやシンセストリングスが加わる部分は良い感じなのだが、

肝心のVo.下手な上に声量に乏しいのでブチ壊しである。

ラストの7曲目はピアノに電子音が絡むアダルティックな哀愁メロ

インスト曲。あまり長くないけど良い感じだな。

7曲目を除いて、楽曲は面白味の無いモノばかりだし、

ヴォーカリストとしてはとても大成出来るとは思えないので

スッパリと諦める事を勧めたいのが正直な所。

だが、光明が無い訳でも無い。

奏でられるピアノのメロディーは実に良いと思えた。

特に6曲目の始まりのピアノとシンセストリングス(多分)の絡みは

ホント良かった。いっその事、インスト作家に転向してみるのは

どうだろうか?・・・とはいえ、すでに引退してるから今更か。

評価 45点

7とピアノ、シンセストリングス(多分)のパート全てがオススメだ。

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