yukki
(日本)
「卒業」(06年作)
1.卒業 2.夢を見ました 3.さんぽ 4.スピード 5.未知の世界
元Whiteberryの前田由紀(Vo.)のミニアルバム。
BOOK-OFF某店にて、中古で108円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、前身のバンドである「Whiteberry」が04年に解散した後、
彼女を除くメンバーは芸能活動から事実上引退したものの、自身は05年に
「yukki」名義でシンガーソングライターとしてソロデビューする。
今作は現時点(17年1月)におけるyukki名義での唯一の作品だ。
ちなみに、現在は前田有嬉という芸名でソロ活動を行なっている。
ネットでは、楽曲の音楽性に関する情報は見付から無かった。
全曲の作詞作曲は彼女によるもので、個人的にはこの点をまず評価したい。
音楽性としては、Key.やSyn.等による装飾の無い、バンドサウンド主体の
ポップなガールズロックといった塩梅(あんばい)で、
よりロック寄りになったWhiteberryと言えなくもないか。
「SCANDAL」や「中ノ森BAND」などを好むリスナーにストライクなモノだろう。
1曲目はミドルテンポ曲。薄暗い感じの始まりから、徐々に明るさを増していく。
同時に、気持ちや雰囲気の高まりも感じさせ、サビで最高潮に達する。
バンドサウンド(特にGt.)が昂揚感を煽る始まりの2曲目は、何処となく
モチベーションの高さを感じさせる雰囲気を持った走曲。
3曲目はミドルテンポ曲。ちょいとDr.が前面に出たバンドサウンドが
黄昏時を思わせる哀愁を放つも、明るく、ハイな調子で歌い回すVo.が
加わる事で力強さを感じさせる曲調になっている。
4曲目はミドルテンポ曲。忍び寄る様なBa.、淡々としたDr.、零れる様に
奏でられるちょいとドラマティックなGt.が絡んで暗い雰囲気で進行。
到ったサビはパッと明るくなり、ポップかつキャッチーに盛り上がるぞ。
2番からはDr.がやる気を出したかの様に多少前面に出ている。
ラストの5曲目はノスタルジックな哀愁を放ちつつ進行し、
サビで盛り上がるスロー曲。
彼女の声質が「JUDY AND MARY」のYUKIに似ているゆえか、歌メロは
何分、ポップでキャッチーなモノになりがちなのだが、相性としては
それが最もマッチしているだろうから、まあ仕方無いか。
サビで盛り上がるのは良いけど、曲展開というか盛り上がり方というか、
そういう所で似た様な感じのモノが多いのはマイナス点だな。
出来ればあともう1曲走曲か疾走曲が欲しかった。そうすれば全体的に
もっとまとまりが良くなっただろうに。
評価 75点
オススメは無し。