AZ
(日本)
「ジェニー」(90年作)
1.ジェニー 2.She's a bad angel 3.君に好かれたい 4.Long Ago
5.JUNなクリスマス 6.LAST 5 minutes 7.因果を含める大人達
4人組ロックバンドのミニアルバム。
10年1月25日のDiaryで記した、35枚購入した内の1枚だ。
ネットで調べたのだが、情報が皆無だったので詳細は一切不明だ。
楽曲の音楽性はJ-POPの範疇で語られるだろう
80年代のポップロックだが、モロに売れ線という訳でもなく、
全篇通して明るくなりきらない薄暗さを纏っている。
1曲目はポジティヴなメロディーのミドルテンポ曲だが、
Ba.が憂鬱感を出している。Gt.も頑張っていて、透明感を演出したり
仄かな灯りを思わせる音色を奏でたりしている。
吹き回されるハーモニカと共に走り出す2曲目の走曲はノリの良さが有り、
80年代にはこういう感じの曲が割と多かったなあ。
3曲目は期待に胸を膨らませる様なポップな走曲で、
シンプルなギターリフが爽やかさを演出している。盛り上がっていく
サビ手前〜サビのGt.はシャラ〜ンとシンプル極まりなく
奏でられるだけなのだが、リズム隊と絡まるとメロディーに成るのが面白いな。
アカペラで始まる4曲目は穏やかな日常的メロディーの
ミドルテンポ曲で、Ba.がアクティヴな感じを出している。
聴き取り辛い小さな声で何か歌っているイントロで始まる5曲目は
ドラマティックかつシリアスに歌メロへと入る。このシリアス感は
個人的に良いと思うのだが、サビ手前で明るく成りだして
サビは普通にライトでポップなモノになってしまう。
メロディー自体は悪くないけど、この曲展開は無いだろ?
これまでのシリアスな展開が何のために有ったんだか分からんわ。
6曲目は力強い歩みを思わせるグルーヴの有るミドルテンポ曲。
ラストの7曲目はライトなポジティヴ走曲で幕引きだ。間奏で吹き回される
ハーモニカソロは昭和50年代の様な風情を感じさせるな。
J-POPとはいえ、今作の様な飾り気のあまり無い80年代サウンドは
バンドサウンドの存在がハッキリと感じられるので、個人的には
今時(10年3月)の悪い意味で華やか過ぎる駄曲共より好感が持てる。
だが、楽曲の質という面で今一つ物足りなさを感じるのが残念だ。
評価 74点
3,5のシリアスパートがオススメだ。