EIGHTEEN VISIONS
(アメリカ)
「VANITY」(02年作)
1.VANITY 2.FASHION SHOW 3.ONE HELL OF A PRIZE FIGHTER 4.I DONT MIND
5.THE NOTES OF MY REFLECTION 6.A SHORT WALK DOWN A LONG HALLWAY
7.THE CRITIC 8.GORGEOUS 9.YOU BROKE LIKE GLASS 10.IN THE CLOSET
11.SONIC DEATH MONKEY 12.THERE IS ALWAYS(インスト) 13.LOVE IN AUTUMN
14.MOTIONLESS AND WHITE(ボーナストラック)
南カリフォルニア出身のメタルコアバンドの3rd。
09年2月21日のDiaryで記した、32枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、95年に結成され、地道な活動の末にデビューを果たした
叩き上げのバンドとの事。現在(11年3月)は解散している。
メンバーの中には「BLEEDING THROUGH」や「THROWDOWN」などの
バンドと平行して活動している者も居て、彼等がアメリカのハードコアシーンと
密接な関係にある事がうかがえる。
楽曲の音楽性に関して、ネットでは
「凶悪なまでのメタルコアを軸とし、哀愁の流れるメロディーと
ドラマティックな展開、往年のロックサウンドを取り入れ、
多様な表情を覗かせる」と紹介されていた。
「VISION OF DISORDER」、「STONE TEMPLE PILOTS」、
「SLIPKNOT」が好きなリスナーに強くオススメだそうで、
ニューメタル、デス/スラッシュメタル、オルタナ系のファンにも
オススメのサウンドは本国アメリカにおいて高い評価を得ているという。
ヘヴィなバンドサウンドによるブルータルな幕開けの1曲目は
バンドサウンドのリフと喚く様なスクリームによるアグレッシヴパートと
叙情的な哀愁を帯びた邪悪にエモーショナルなパートが交互に展開。
途中でアコギが登場し、叙情的なフレーズを奏でるぞ。
2曲目はGt.のヘヴィリフがブルータルな雰囲気を醸し出しつつも
リズム隊と絡んでグルーヴィーに展開する。何処か「BOLT THROWER」の
曲に通じるモノがチラホラと感じられるな。ツーバス踏んでの爆走パートも
有るけどあまり迫力は無いな。
3曲目はバンドサウンドの躍動感有るリフに合わせた様な
Vo.とコーラスのスクリームが聴け、テンポダウンしてのミドルテンポのパートは
重厚かつ邪悪に。テンポアップしたパートでは緊迫感や
焦燥感を含んだアグレッションが感じられる。
4曲目はロック寄りのヘヴィなミドルテンポ曲。
途中、寂しげな哀愁の叙情パートが顔を出す。
5曲目は打ち込みと思われるリズムや電子音が展開し、
アコギ2本が奏でる困惑や混迷を表現した様なフレーズと絡んで
ちょいとサントラっぽい曲調となるイントロ(かインスト曲)で、
そのまま続く6曲目は物悲しい哀愁溢れるエモーショナルな幕開けが
まず良く、そのまま哀愁まみれな曲だと嬉しいのだがそうもいかず、
アグレッシヴなヘヴィパートへと展開する。・・・正直、このパートは要らない。
せっかくの良い哀愁メロが勿体無いわさ。
8曲目はアコギのメロディーに乗せて歌い上げる曲で、コーラスとの
美しいハーモニーは叙情的にアトモスフェリックさを醸し出す。
11曲目はパワフルでドライヴ感有る幾分ロック寄りのヘヴィチューンだ。
クリーンでメロディーを歌い上げるのがロック者としては嬉しいのだが、
こういう曲なんだから後半のブルータルパートは入れないで欲しいわ。
12曲目は何処かのプログレに有りそうな奇妙にアトモスフェリックなインスト。
13曲目は憂いを含んだ黄昏の哀愁メロのスロー曲で、
何とも言えない気分にさせてくれる叙情的な雰囲気が有り、バックの
電子音(多分)も雰囲気の演出に一役買っている。ちょいと浮遊感も有るか。
分かり易さに乏しく、無駄に長いと感じた曲が多かった。
バンド側にしてみれば緩急を上手く使っているつもりかも知れないけど、
要らないと思うパートは少なくない。もう少しコンパクトにまとめて欲しい。
せっかくの良いメロディーも生かせなければ意味が無いわさ。
少なくとも、メロディー派には縁の無い作品やね。
評価 72点
5,13がオススメだ。