BOLT THROWER
(イギリス)
「...FOR VICTORY」(94年作)
1.War(インスト) 2.Rememberance 3.When Glory Beckons 4....For Victory 5.Graven Image
6.Lest We Forget 7.Silent Demise 8.Forever Fallen 9.Tank(Mk.1)
10.Armageddon Bound 11.World Eater '94(ボーナストラック) 12.Overlord(ボーナストラック)
バーミンガム出身のデス/ウォーメタルバンドの5th。
09年2月21日のDiaryで記した、32枚購入した内の1枚である。
ネットで調べてみた所、元々はハードコアパンクのシーンから
登場したバンドらしい。86年の結成から20年以上を経た現在(10年7月)でも
活動を続けている生ける伝説的なバンドであり、多くのバンドに
多大な影響を与えている、との事だ。
楽曲の音楽性はオールドスクールなデスメタルである。
チューニングを下げ、重く歪んだギターリフに決して狂暴過ぎない
デスヴォイスが乗り、異界での止む事の無い闘いを表現したスタイルは
彼等の代名詞と言えるモノだそうだ。歌詞カード内の解説には
「彼等の身上とするサウンドは常にファンタジー世界の
戦闘場面とリンクし、楽曲の世界観が
SFやヒロイックファンタジーと直結している」と記されていた。
終始、不穏でブルータル感溢れるインストの1曲目。
そのまま続いて砲撃SEが戦闘開始を告げる2曲目。
ツーバスが踏まれると突撃する様が想起されるな。まあ、欲を言うと
もっと力強さが欲しいのだが。主役はGt.で、終始ブルータリティ溢れる
重厚なサウンドが戦場を覆い、混沌とした世界観を演出する。
3曲目はミドルテンポで戦場を蹂躙するブルータリティが炸裂。
その重厚なサウンドは絶望感をも感じさせ、疾走する様は
悪意が迫り来る様でいて、何もかも飲み込んで行く様でもある。
悪の英雄出現な幕開け(馬徳のイメージ)の4曲目。
ミドルパートではダークかつブルータルに圧倒的な存在感を放ち、
威風を漂わせ、曲後半の疾走では凄まじい突撃力を感じさせるぞ。
ブルータリティが若干減退した疾走を展開する5曲目。
間奏で弾かれるギターソロはサントラっぽく聴かせるな。
重戦車の様な重量級のヘヴィネスを展開する6曲目。
疾走パートは邪魔するモノ全てを蹴散らし、駆逐していく様な圧倒感が有り、
ミドルパートは進軍、または進撃を想起させるな。
7曲目は不穏かつブルータルなのだが、ちょいと落ち着いた感じの
ミドルテンポ曲かな。途中で何度か爆走するけど、ミドルがメインだ。
のっけからアグレッシヴに爆走する10曲目。殺伐とした、
ブルータルとしたスリリングな曲展開を聴かせ、ドライヴ感の有る
パートも登場。曲終盤のギターソロがドラマティックさを演出し、幕を下ろす。
11曲目はちょいとドラマティックな走曲。歌メロまでの前置きが長い。
今作中では割とストレートな曲調で、ヘヴィロック好きのリスナーに
オススメ出来る曲だな。
同じオールドスクール・デスの「MASSACRE」と比べると、こちらの方が
ずっと好感触なのだが、「STATIC-X」を彷彿とさせる所が有ったりで
サウンドの感触はヘヴィロックに近い感じだった。
個人的にはデスメタルを聴いている感じがあまりしなかったなあ。
まあ、だからこそ今作を受け入れられたのだと思う。
メロディー派としては、楽曲にもっと多様性が欲しいけどね。
メタラーよりも、デスヴォイスが許容範囲のヘヴィロック好きにオススメかも。
評価 79点
1,3,4,6,10,11がオススメだ。