原田龍二
(日本)
「調和の鎖」(93年作)
1.Introduction 2.Tell The Truth 3.Good-bye My Generation 4.21lours Loving
5.アンチテーゼ 6.二人の時間 7.Gone 8.Running Wild 9.ただ豊かさに染められて
10.Silent Shout 11.素顔の愛 12.調和の鎖
1stアルバム。
昨年(08年)末にBOOK-OFF某店にて、250円で販売していたので購入してみた。
最近では「水戸黄門」とか「相棒」などで出演している俳優として
知られているが、今作のリリース当時は音楽活動もしていたのだ。
とはいえ、馬徳自身は今作をシンガーソングライターのアルバムだと
思って購入したので、まさかTVで見たあの俳優と同一人物だとは
思いもせず、後になってから知ったのだ。
何か「尾崎豊」に似てるな、と思ったのだが、当時のマスコミも「尾崎の再来!!」
みたいな取り上げ方をしていたらしい。まあ、尾崎とは何の関係も無いらしいが、
ジャケ等の白黒の写真とか撮り方は間違い無くそれを意識していると思う。
楽曲はアメリカンロック調のJ-POPロックで、尾崎っぽさは
若干有るくらいなのだが、93年頃の曲にしては何か古い感じがする。
1曲目はR&Bの曲でよく有りそうなコーラスだけ。そのまま2曲目の
穏やかなミドルテンポ曲へと続く。この曲のホーンセクションは
社交ダンスでよく有りそうなサウンドを聴かせる。
3曲目は青春的メロディーの走曲。間奏に入る前にシャウトすんだけど、
これがまたショボい。やらん方が良いって。
4曲目は日常的メロディーのアップテンポ曲。サビが古臭い。
5曲目は尾崎っぽい感じの歌唱を聴かせる走曲。シャウトで始まるんだけど
これもショボい。部分的に自信無さ気な歌唱が聴けるんだけど、
こんな気の抜けた様な歌唱してたらプロとしてやってけんぞ。
6曲目は仄かな暖かみの有る穏やかなミドルテンポ曲。
目立たないけど優しい感じのコーラスが雰囲気出してて良い。
7曲目は曲本編に入る際、サックス(かトランペット)が情熱的な叙情メロを
聴かせるのだが、これが凄く良い。今作で一番良いのは曲よりも
この部分だな。間奏ではソロを聴かせてくれるが、こっちはちとイマイチだった。
10曲目は80年代の曲に有った様なメロディーの走曲。サビでは
7、80年代のアイドルソングみたいな歌唱を聴かせ、失笑モノだ。
11曲目はキャッチーなメロディーの走曲なのだが、Vo.が声量不足のため、
盛り上がるはずのサビで弱々しいヘナチョコ歌唱を聴かせる。
ああ、せっかくのキャッチーな曲が勿体無い・・・。
彼のVo.は部分的に尾崎に似た所は有るが、正直、この当時はまだ
歌い手としては実力不足甚だしく、そこかしこでそれを露呈している。
良い曲が有っても、その実力不足さで曲の良さを落としていて勿体無い。
ヨルン・ランデはその歌唱力でもって「MASTERPLAN」のアルバムの
質を上げる事に貢献しているが、彼の場合はその正反対だ。
迷う事無くBOOK-OFF行き決定である。
評価 49点
7曲目の情熱的な叙情メロがオススメだ。