LIONSHEART
(イギリス)
「Pride In Tact」(94年作)
1.DEJA VU 2.I'LL STAND UP 3.I BELIEVE IN LOVE 4.LOVE REMAINS
5.SOMETHING FOR NOTHING 6.PAIN IN MY HEART 7.GODS OF WAR 8.STRONGER THAN STEEL
9.(TAKE A LITTLE) PIECE OF MY HEART(ジャニス・ジョプリンのカヴァー)
10.WHO'S THE WISE MAN(JACIE'S SONG) 11.I'LL BE THERE
12.RELENTLESS 13.LOVE WON'T BRING ME DOWN
2ndアルバム。
某複合量販店にて、中古で380円で販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、1stの出来が凄く良かった様で、傑作とか名盤といった
評価が与えられていた。しかし、来日公演がズタボロだったらしく、
メタル誌「BURRN!」で酷評され、それに続く様に人気は急降下していき、
今作発表時は大して話題にならなかったという。
作曲面で大きな貢献を果たしていた、マークとスティーヴのオワーズ兄弟が脱退し、
新メンバーを迎えて制作された今作はネオクラ色が減退し、
ブルースをベースにしたハードロックへと音楽性が変化したため、
前作に比べると劣るとか凡作とか地味といった評価が多い。
このレビューを作成している現在(09年9月)、馬徳自身はまだ1stは未聴だけど、
その意見には待った!と言いたい。
1stは1stで、2ndは2ndで、バンドとしてではなく、
一つの作品として聴いてみよう。決して出来は悪くないぞ。
初っ端からキラー曲で、大きく期待を煽られた1曲目の疾走曲「DEJA VU」。
力強い疾走感のバンドサウンドの中では、Gt.が一歩前に出ており、
エッジの効いたサウンドや、ピロピロ弾き回したり速弾いたり、
泣きをも放つ間奏のソロも良く、そこかしこで良い仕事してるぞ。
そして、このバンドの最大の武器はやはりスティーヴ・グリメットのVo.だ。
そのソウルフルなハイトーンと素晴しい歌唱力が馬徳を惹き付けるッ!!
こういうロックのカッコ良さをビンビン感じる曲は大好きだ。
2曲目は夜の雰囲気を持ったアダルティックかつクールなミドルテンポ曲。
伸びやかに歌い上げるエモーショナルな歌唱が聴き所だ。
3曲目は力強くもメロディアスなミドルテンポ曲。良い曲なんだけど
もう少しメロディアスさを前面に出してくれればもっと良かったと思うなあ。
5曲目はグルーヴィーなアップテンポ曲。サビ(?)でコーラスが加わると
午後3時頃の日射しの様なマイルドな雰囲気になり、間奏(?)では
雰囲気が変わって叙情的なパートへと展開する。
6曲目は黄昏の叙情バラード。アダルティックかつドラマティックで
AORっぽくもある良い曲なのだが、大して珍しくもない曲調、というか
他所のバンドでも聴ける様な有りがちな曲調なんだよなあ・・・。
でも、泣きを放つ間奏のギターソロはエモーショナルで凄く良かったぞ。
不穏な雰囲気〜様式美っぽい(多分)Key.が弾き回されるイントロで始まる
7曲目はドラマティックなミドルテンポ曲。苦境に立たされた様な
逆境的メロディーで進行し、盛り上がる哀愁メロのサビでは
悲しさと激情の同居するエモーショナルな歌唱を聴かせる。
9曲目はジャニス・ジョプリンの曲のカヴァーであるミドルテンポ曲。
ジャニスの曲は全く未聴なので原曲との比較が出来無いのだが、悪くはない。
10曲目はカントリーっぽいアコースティック曲。
12曲目はアップテンポ走曲。曲自体は悪くないのだが、
ここで持って来なくてもいいからもう3,4曲前の方で有れば良かったのに。
何か、「GOLDBRICK」のアルバムみたいだなあ・・・。
上記の様に出来は悪くないのだが、メリハリの悪さが引っ掛かるんだよなあ。
1曲目で疾走して期待を持たせておいて、それ以降は1曲も疾走しないし。
まあ、ブルースをベースにしている訳だから分からないでもないけどさ。
13曲も有るんだから3曲くらいは疾走して欲しいよ。
他に気になったのは似た様な曲が若干有るって事くらいか。
とにかく、上記の様に今作を聴くなら1stの事を頭から抜いて、
一つの作品として聴いてみるのが良いと思う。
評価 77点
1,2,3,5,6,7がオススメだ。