Mansun
(イギリス)
「Little Kix」(00年作)
1.butterfly(a new beginning) 2.i can only disappoint u 3.comes as no surprise
4.electric man 5.love is... 6.soundtrack 4 2 lovers 7.forgive me
8.until the next life 9.fool 10.we are the boys 11.goodbye
チェスター出身の4人組UKロックバンドの3rd。
「NUMBER ONE SON」のレビューで、「馬徳はUKロックが
苦手である」と記した。それは現在(09年6月)でも変わらない。
じゃあ、何で今作を購入したのか?というと、
ジャケがHR/HMっぽいな、と感じた結果のジャケ買いであり、
バンド自体の事は全く知らなかった。その結果、聴いた当初は
良いと思える曲が1曲だけで、MY BEST用に置いとくだけの存在になって
いたのだが、このレビューを記すために2年ぶりくらいに聴いてみたら
受け入れられる様になっていたので、手元に残す事にした。
1曲目は退廃的な妖しさが漂う叙情曲で、部分的に挿入されるSyn.が
飛散する様に奏でられ、妖しさを助長する。こういうSyn.の使い方も
有るんだな。良いじゃないの。個人的には今作のキラーの一つだ。
2曲目はミドルテンポ曲。メロウなメロディーを甘く歌い上げる。
4曲目はミドルテンポ曲。アコギが若干寂しげなメロディーを奏でて
進行する。サビは麗らかな感じなのだが、展開的にあまり合ってない
気がする。2番になるとバンドサウンドが加わり、荒涼感が加味される。
こっちの方が良いのだが、サビの明るさが1番より強調されてしまって
余計に合わなく感じる。
6曲目。ここでキラー来た!!オーケストレーションによる厳かで
静かな幕開けから、ストリングスが気品高く舞いながら歌メロへと導く。
何処か物悲しいピアノのリフが淡々と奏でられつつ進行し、
オーケストラが盛大かつ華やかに盛り上げるサビへと到る。
この解放感と浮遊感を感じさせるサビは秀麗の一言に尽きよう。
7、8曲目はAORっぽい曲調で、7曲目はまどろむ様な穏やかさが有り、
8曲目は黄昏たメロディーにアダルティックな哀愁を感じる。
9曲目は照らし出す様な明るさを放つ、今作で一番明るい曲。
サビ手前でカウントを取る様にDr.を打つのがサビの盛り上げを
強調する様で良いな。でも、サビの華やかな明るいメロディーは他の曲でも
似た様なのが有り、ここまで来ると他のモノは無いのか?って
思っちゃうんだよね。曲としては悪くないんだけどさ。
全曲ミドルテンポ曲で、アップテンポ曲すら無く、疾走曲好きには
オススメ出来ないし、個人的にもそこが不満残りなんだよね。
せめてアップテンポ曲を2曲くらい入れて欲しいわ。
総合的には手元に残すだけの価値は有ったけど、UKロックって
何でこう静かだったり穏やかだったり大人しい曲ばかりのバンドが
多いのかねえ?
評価 75点
1,6,9がオススメだ。