PANACEA
(ドイツ)
「PRAY」(96年作)
1.Caught In A Dream 2.I 3.Drap Monotony 4.Away From Myself 5.World Of Ideas
6.The Dance 7.Space Trip 8.Pray 9.No Resource 10.Don't Think
11.Segregation 12.Decadence(ボーナストラック) 13.Blinded(ボーナストラック)
日本デビュー盤である3rd。
08年11月29日のDiaryで記した37枚購入した内の一枚で、
「MEATWAGON」でおなじみの長野県上田市に有るメディア書店にて
新古品で780円で販売されていたアルバムである。
商品の帯を見てみると、「純正統派パワー・メタル・バンド」とあり、
「純」とか「正統派」なんて言葉の付いたパワーメタルがどんなサウンドなのか、
まずは一度通して聴いてみた・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ウソこいてんじゃねえよ、コラ!!
これは「スラッシュメタル」やろぅがッ!!!
MEATWAGONの時と同じじゃねーか、と思ったら
レコード会社が「テイチク」だった。
またやりやがったあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
※MEATWAGONのアルバムもテイチクからのリリースであり、ついでに言うとCENTAURのもそうである。
パワーメタルって記してあったから買ったんだぞオイ!
担当者はHR/HMを一から勉強し直せ!!
1曲目はミドルテンポ曲。蠢くマグマが噴き上がろうとする様なリフが
印象的で、咆哮型のVo.も雰囲気の演出に一役買っている。
ギターソロで怪しげな雰囲気を放つフレーズが良いな。
2曲目は走曲。疾走感は大して無いが、Vo.と共に攻撃性有るサウンドを
聴かせる。途中でテンポダウンしてミドルテンポに展開すると
攻撃性が薄れてしまうのが勿体無いんだよな。
5曲目はアコギによる冷たさを含んだ物悲しい音色で始まるミドルテンポ曲。
スラッシュメタルでこういうアプローチを持って来られたのは初めてだが、
なかなか良いじゃないか。歌メロの叙情メロも良く、Ba.が潜り込む様な
深みを与えている部分は特に良いな。間奏のアコギによるソロは
バックのもう一本のアコギの音色と重なり、日本人の琴線に触れる
和の雰囲気を持ったフレーズを聴かせる。短いけどこの部分はホント良いぞ。
11曲目はアコギの冴えた叙情メロに乗せてクリーンVo.で歌い上げた後、
アグレッシヴパートに展開する。その途中で部分的にアコギによる
叙情メロが入るのだが、楽曲に一体感が無く、ミスマッチである。
12曲目はアコギの寂しげな叙情メロで始まり、徐々に盛り上がって
11曲目同様、アグレッシヴパートに展開する。5曲目が一番良く現れているけど、
このバンド、アコギで良い仕事をしているな。11曲目の様にミスマッチな部分も
有るけど、個性としてはそれなりのモノが有るのではなかろうか?
楽曲はダークな雰囲気を纏ったミドルテンポ曲が大半で、疾走曲は皆無。
走曲は有るけど小走りな感じで、疾走感は大して無い曲ばかりである。
結果、メリハリに欠けて全体的に単調なアルバムになってしまっている。
・・・まあ、ダレを感じる程ではなかったけど。
Vo.のアグレッションや1曲1曲は悪くないのだが、似た様な、
あまり変わりばえのしない曲が多いのもマイナス点だ。
BOOK-OFF行きにすべきか、手元に残すべきか・・・・・・微妙だなあ。
このバンドもMEATWAGON同様、ネットで調べても全然と言っていい程に
情報が無いから困ったよ。余程売れなかったのかねえ?
でも、そう考えると、大して知られてもいないバンドを果敢にリリースする
テイチクのチャレンジャー精神は評価されても良いのかもなあ。
評価 70点
5がオススメだ。