PhI
(日本)
「PhI」(98年作)
1.真夜中のアダム 2.ディオニソス 3.帰れない夜
4.Electric Heaven 5.Ball Room of Love 6.太陽の舟
元「44マグナム」の広瀬さとし(Gt.)と元「DER ZIBET」のISSAY(Vo.)を中心に
結成されたバンドのデビューミニアルバム。
バンド名は「ファイ」と読む。
音楽誌「GIGS」で取り上げられていた事が有り、その存在は知っていたのだが、
ハッキリ言ってマイナーなバンドであるため、中古屋に出回るかどうかさえ
怪しかったので、タワーレコ−ドで注文して新品で買った。
Gt.の広瀬さとしがこのバンドの前に活動していたのが「SPAED」というバンドで、
その3rdが凄く良い出来だったので期待は大きかった。
そしてその期待を今作は裏切らなかった。
1曲目からハードなサウンドの疾走曲。
イントロからGt.がアグレッシヴに暴れ回り、勢い十分に歌メロへ突入する。
サビの前で少しテンポダウンするものの、サビでは勢いと力強さが戻って突っ走る。
生き急ぐ様な疾走具合が、何かを急き立てる様に聴き手に迫り来る。
ひねた感じのとんがったリフが印象的な2曲目は変化球的走曲。
ドコドコダカダカとしたDr.がダンサブルで、民族音楽的なリズムに感じられる。
3曲目は仄かな音色のイントロから始まるゴシック色を含んだミドルテンポ曲。
楽器陣の音量のバランスが悪くて一部ではやかましい感じがする。
上手く整っていればもっと良い感じで聴けたろうになあ。
4曲目はゴシック色を含んだアップテンポ曲。間奏がノイジーだ。
この曲も音量のバランスが悪めだな。それとも意図的なのか?
5曲目はダウナーなミドルテンポ曲。重々しい暗い陰りをGt.が演出している。
ラストの6曲目は明るく爽やかでストレートな疾走曲。
晴れ渡った夏の海岸線を車で走る光景が想起され、
Gt.の音色が太陽の陽射しの様に感じられる。
Vo.のISSAYの耽美的な声質は個性的で、聴く人を選ぶかもしれないが
個人的にはOKだ。
入門編としては十分なんだけど、6曲で2,500円は高すぎるだろうに。
評価 84点
1,2,6がオススメだ。